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by ydando
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2005総選挙型の雪崩現象が再来する
 今回参院選では新聞3社が通常は1回しかしない選挙情勢調査を2度、実施した。焦点の自民党についての推計結果を簡単に示せば、朝日が41議席前後としていたのを38議席前後に落とし、産経も44議席を41議席程度まで下げた。読売は数字を示さないが濃淡グラフや記事での表現を考えると悪化は明らかで、40議席割れに落ち込む可能性を示唆している。一般には自民への逆風が強まっていると読まれるのだろうが、世論調査に携わって来た者として見ると、3紙とも数日の間を置いて実施した調査結果が違うこと自体がアブノーマルなのだ。しかも、同じ方向にシフトしている。2005年の総選挙終盤で起きた雪崩現象が再来すると考えざるを得ない。

 新聞の選挙情勢調査(世論調査)は過去の調査結果と投票結果をデータベースにして、今回の結果を予測する。調査時点の支持模様が投票日にはこう変わると予測しているようなものだが、これまでは大きく外すことはなかった。だから、2回の調査をしたらほぼ同じ結果になってもらわないと困るのだ。3紙とも自民悪化に振れている状況を説明するとしたら、新たに投票態度を決めた有権者の多くが、その選挙区の雰囲気にほとんど影響されずに自分の判断で野党系に流れていると考えられる。2005年の総選挙で各社情勢調査の推計を突き破る形で「与党が3分の2」を実現した。今回は逆に向いているだけだ。

 2005年には郵政民営化というシングルイシューが決定的に重要とする小泉首相に対して、新聞メディアはそれなりの異議申し立てをしたが、対する民主党側の選挙アピールは余りに弱々しく、有権者は与党支持に動いた。今回は年金問題が決定的である。「5000万件問題で年金の丼勘定ぶりに唖然 [ブログ時評80]」で使ったテクノラティ社の「年金」記事頻度グラフをもう一度、見よう。さらに「安倍」グラフも並べよう。
   ★過去180日間に書かれた、年金を含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ : 年金

   ★過去180日間に書かれた、安倍を含む日本語のブログ記事
テクノラティ グラフ: キーワード「安倍」に関するグラフ

 選挙が公示されてからは公選法への遠慮から控えめになっているが、年金問題への関心は高度に維持されているようだ。公示前の盛り上がりは歴然としている。「安倍」グラフには5月末と6月末に大きなピークがある。年金記録問題へ泥縄式の対策を打ち出した時と、国会終盤で会期延長と強行採決をした時期だ。数千単位のブログが毎日、書かれると中身を読むのは無理だが、この二つのグラフに選挙情勢調査の変動を重ね合わせると、安倍政権への逆風はとてつもなく大きく根深いようだ。

 安倍首相は着々と政策を実現に移している、年金問題は安倍首相が起こしたものではない――と擁護する人がいる。しかし、年金記録問題を知ってから半年も放置した事実を国民が知ってしまったことはもう消せない。社会のセーフティネットが次々にほころんでいく中で、年金保険料納付で国家の庇護を確実にしていると思ってきたのに記録が確実でなく、国に裏切られた思いは深刻に尾を引いている。

【7/29夕・追補】各メディアの出口調査で自民の40議席割れは確実になりました。公明も大苦戦で10議席が危ないようです。
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by ydando | 2007-07-28 13:30 | 政治・経済
柏崎刈羽原発の情報不足は深刻な不信に
 新潟県中越沖地震から1週間になろうとするのに、大きなダメージを受けた柏崎刈羽原発の内部がどのようになっているのか見えてこない。やっと22日の朝刊に1.6メートルもの段差が出来たり、地面が波打ったりしている所内の写真が出た程度であり、これは地震当日に公表されてしかるべきものだ。今回の事態に関心を持つ人の多数は、原発内部がシステムとしてどれくらい健全なのかが知りたいはずだ。この関係では現在のところデータは皆無だ。いや、放射能を含む水漏れが止まらない点など危惧させる兆しはある。

 東京電力が19日になって公表した揺れのデータから、観測された最大加速度と設計値との比を以下に計算した。

     南北方向 東西方向 上下方向
 1号機 114%   249%   174%
 2号機 182%   363%   120%
 3号機 160%   199%   132%
 4号機 161%   254%   143%
 5号機 111%   174%    87%
 6号機 103%   122%   208%
 7号機 102%   135%   151%

 加速度最大値は1号機東西方向の680ガルながら、設計値との比では2号機東西方向の363%が最も大きい。2~3倍の安全率を見込んで設計したとしても心配になる数字だ。原発の機器とシステムは、政府が言っているように堅い岩盤上にあって、本当に健全だったのか。

 折しも政府は国際原子力機関(IAEA)からの調査団派遣を「余裕がない」と断る意向を示し、新潟県の泉田知事は逆に早期受け入れを要望した。柏崎市による原発の使用停止命令に次ぐ、東電と政府に対する地元からの不信感表明とみるべきだろう。東電の調査能力は既に疑われているのだ。

【関連】原発震災の可能性を裁判所が認めた [ブログ時評52]
    「原発震災認定」の判決対策に新耐震指針固まる?!

【追補】7/23 政府は一転してIAEA調査団の受け入れを決めた。ただし、時期や方法は今後、協議して決めるという。
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by ydando | 2007-07-22 20:01 | 資源・環境・災害
デジタル放送不人気でコピー緩和だが [ブログ時評81]
 2011年のアナログ放送廃止が決まっているのに、地上波デジタル放送の不人気ぶりは隠せない。総務相の諮問機関、情報通信審議会の下部組織は7月、デジタル放送から録画したビデオは1回しか複製を許さないコピーワンス規制を緩和して9回までとする方針を固めた。しかし、実現するとしても既に出回っているDVDレコーダーの多くには適用できず、開発される新製品を買い換えなければならない。

 現行のコピーワンスはコピーを許しているのではなく、ハードディスクに録画したハイビジョン番組をDVDに標準画質に落として焼き付けると、元のハイビジョン番組は自動消滅してしまう。この際にDVDメディアの不良や操作ミスがあって複製が出来なくても消えてしまうため苦情が絶えない。

 「追跡」(gore-gore日記)は家族も見る番組をDVDに移して持ち出してはいけない、現在の不便さをこう書く。「デジタル放送のコピーワンス規制は困ったもので、HDDに新しく録画をするためには、録り溜めしているやつを消化しなければならない。もしDVDにダビングできるのなら自室のPCでゆっくり見れるのに、それができないの。おかげで、家族がTVを見てない時間を縫って見ないといけない。一部の違法コピーするやつらのおかげで一般ユーザーに皺寄せが来るのは、CCCDの時と同じで本当に腹が立つ。それがやっと、9回までのコピーが認められるそうで良かった。しかし、対応機器に買い換えないといけないのか」

 DVDに移すにしても、コピーガードのCPRMがまた不便なのだ。「DVDレコーダーのコピーワンス、何とかならないか!!」(Coffee & Music)が報告する。大阪フィルのコンサートが「デジタルで放映されたわけだが、筆者は生憎デジタルレコーダーを持っておらず、娘に録画を頼んでいた。先日届き、いざ観ようと思ったが残念ながら再生できない。聞いてみるとレコーダーのハードディスクからDVD-Rに焼くのも簡単に出来ず、わざわざCPRM対応のディスクを購入して焼いてくれたそうで、デジタル放送の録画は面倒なことが多いようだ。なんとかパソコンにCPRMディスクの観れるソフトをインストールしたが、なかなか再生しない。なんだかCPRMのキーの照合が必要だそうで、インターネットに接続が必要だとのメッセージ。インターネットに接続すると忘れた頃に再生開始」

 アナログ放送が生きている今、放送の楽しみ方はずっと豊かだ。「コピーワンス見直し案【コピー9回可能へ】」(すごろーのスグブログ-DS)は「録画した番組を保存する時は、わざわざアナログ放送を録画してますよ」「他にも、東芝のRDを使って主題歌部分を切り出して、お歌集にしたり、パソコンに転送して壁紙を切り出したりとか楽しんでますけど、その楽しみって、アナログ放送じゃないとできないです」と、コピーはもちろん編集も加工も出来ないデジタル放送の「規制尽くし」を批判的な目でみる。

 今回の9回コピーへの緩和は、携帯電話やポータブルプレーヤーなどへ1人が3回コピーすると想定、家族3人で9回と計算している。しかし、1時間番組、2時間番組を携帯電話にそのままコピーするのには疑問がある。見どころだけを抜粋して出先でも楽しみたいと考えるのが普通だろう。もともと記憶容量が小さい携帯電話などでは見たいものが幾つも入らない事態になるのは目に見えている。

 それでもコピー回数だけを増やす今回の緩和について「copy onceからninthへ」(Mac de Life)は「『iPodへの課金問題』に代表される補償金制度と、今回の『DRM問題』に代表されるコピーワンス制度には、音楽業界と映像放送業界の利用者側(消費者)を無視した、行きすぎた著作権主張という同様の背景があるように思われます」と指摘する。「1回しかコピー(実は移動)が出来なければ、録画機器は売れない、DVDなどの媒体も売れない、業界自体が縮小する。反対にコピー制限が無くなれば、DVDの売り上げはアップし、録画機器も売れるとういう、産業界にとっては好循環に突入します。このあたりの自己矛盾暖和処置として『コピーナインス』制度を採用したようですね」

 コピーワンスであっても大容量の次世代DVDなら劣化しないでオリジナルのハイビジョン番組が残せる。ところが、専門家からコピーワンス規制が次世代DVD機器が売れない原因になっているとの見方が出ている。

 映像系エンジニア・アナリストの小寺信良氏はレコーダー市場全体の売れ行き停滞を指摘し「次世代DVDが起爆しない5つの理由」(ITmedia)で「コピーワンスがあるから、ということに加え、コピー回数緩和の方法が決着せず、長引いているところがますます停滞感を産む結果となっている」と分析する。「メディアにテレビ番組を記録することに関して、消費者は泥棒のように扱われているのじゃないのか、という感覚を植え付けられつつあるのだ」「しかも皮肉なことにコピーワンスは、さらにそれより悪いムードを産みつつある。つまり、『別に保存しなくてもいいやぁ』という状態である。それが行き着く先は、『録画してまで見なくていいかぁ』というところだ。それは、高解像度でオリジナルを見るという意味が薄れるということでもある。いくらやってもYouTubeのような動画配信はなくならないし、そこで面白いところだけちょっと見られればそれでいい、とする消費行動が、今まさに生まれようとしている」

 米国ではハイビジョン放送は衛星放送の一部にしかなく、ハイビジョン放送を地上波に広げ、放送にコピーガードを掛けている国は日本しかない。それが放送をオリジナルで見なくてもいいにつながり、録画機器・機材が売れなくなり、ひいては著作権収入の減少に進んでいく道筋が浮かび上がってきたのだ。
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by ydando | 2007-07-16 20:43 | 社会・教育