◆新ブログに移行します◆Blog vs. Media 時評blog.dandoweb.comへどうぞ ――――――――――― ネットジャーナリズム活性化のために3/9=圧縮音楽の改善2/11=失敗国家と紙消費2/9=「ウェブ通」リンク集
by ydando
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
<   2006年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧
「オーマイニュース」市民記者規約への疑問
 韓国のOhmyNewsがソフトバンクから資金提供を受けて8月末、日本版を立ち上げることは既に紹介しました。その開設が8月28日に決まり、市民記者の募集も始まりましたが、その規約は何かおかしい、私には違和感があります。

 登録ページから進むと「オーマイニュース」市民記者規約が現れ、同意を求められます。投稿された記事は編集部が自由に編集し、追加取材できて、記者の実名の下に公開されます。その著作権は「当社ウェブサイトに掲載された時点をもって、市民記者の新たな意思表示を要することなく市民記者と当社との持分均等による共有となります」となっています。

 一方、記事についての責任は、追加編集の結果で生じた分は除くとしながらも「市民記者は、投稿記事の内容および記事から派生した結果につき自ら責任を負うものとします」となっています。第三者から損害賠償などを求められ、オーマイニュース側が賠償金や和解金、弁護士費用などを支払った場合には「市民記者は当社の損害を賠償し、かつ当社が支出した費用を当社に補填するものとします。但し、市民記者に故意または重過失がない限り、この責任は50万円を上限とします」と規定されています。

 50万円の上限があるとは言え、「責任は全部、負ってもらいます」、でも「著作権は半々です」では、あまりに不公平ではありませんか。投稿記事の価値を認めて採用した編集部の責任は無いということになっています。冷静にこの規定を読んだら、疑問に思わない方がおかしいでしょう。取材対象とのトラブルは微妙なところで発生するものなので、そこまで責任をとらされるのなら、編集後の記事を、市民記者側が読んでOKを出すまで掲載しない仕組みが是非ものになります。先行している『JanJan』市民記者規約には「編集後は著作権は半々」はあっても、損害補填の規定はありません。

 「OhmyNews開店準備中ブログ」では、2ちゃんねらーと思わしき人たちが種々の異議・異論をコメント欄に書き込んで、ちょっとした騒ぎになっています。本当のところ、どんなサイトが現れるのかは実現してみるまで分かりません。しかし、「不平等な損害補填」を敢えて掲げた編集部側の姿勢に、市民記者の存在をどう考えているのか透けて見える気がし始めました。
[PR]
by ydando | 2006-07-25 17:40 | ジャーナリズム
「非モテ」意識と親同居独身者の増加 [ブログ時評60]
 152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」は5日間で2万人以上の方に読んでいただき、5千人以上がブラウザの「お気に入り」に登録された。ブログのコメント欄には「3人に1人!!!!終わってますね。。。日本人滅亡しちゃうんじゃないかな。。。生きることにもっと意欲を持たないとダメだな」(のぶ)と嘆く声や、「例えば、頑固で無口な職人。例えば、企業戦士と言われたような実直で不器用なサラリーマン。我々の父、祖父といった世代のこういった人間達は性格的には現代のオタクや非モテと言われる人間達に近い」「こういった人間でもかつては普通に結婚できたのだ。それが現代では同じような性分の人間が何故か結婚できない」(覚悟)との問題提起などが書き込まれた。

 20代前半男性の50%に交際相手の女性がいない――との調査結果を紹介してみると「非モテ」の問題はやはり深刻なのかも知れない。ベストセラーになった『電車男』はその「非モテ青年」の話だった。「はてな・非モテ」は「『モテ』は第三者による評価だが、『非モテ』は自意識の問題といえる。その一方で、『モテるための努力を回避する』という恋愛至上(資本)主義へ批判的態度およびその人のことを指す場合もある」と、意識の問題であることをはっきり述べている。

 「2ちゃんねる」では膨大な数の掲示板が、この話題を話し合っているし、「非モテ系日記ウェブリング」などという同好の集まりまである。恋愛のノウハウを語る便利サイトでは、非モテ度合の点検など実に細々とした議論があるが、あまり心に響いて来ない。

 Googleで「非モテ」を検索すると200万件中の5番目に「非モテの本質」(arai blog)が登場し、ネット上でも支持されているのではないか。「非モテの本質とは、投入リソースと試行の不足にあるのです。いわゆるモテ資本は、設備的なものと、経費的なものに分けられます。ポイントは、どちらも一定の水準を下回ると、非常に女性と付き合うのが難しくなるということです」「非モテ男子は、女子への欲求が少ないのか、それともhesitateしているのか、モテ資本へのリソース投入が過少であることが多いのです。まずはhesitateをやめて、どんどん投資しましょう」。そのコメント欄にも当然、賛否が書き込まれている。異論には、リソース、つまり資源を投入したい先は色々あって、恋愛ばかりに割けないとか……。

 「第12回出生動向基本調査・結婚と出産に関する全国調査・独身者調査の結果概要」の「未婚者の生活と意識」が「親と同居する未婚男性が大幅に増加」と伝えている。女性の場合は以前から親と同居する割合は高かった。

    ◎親と同居する世代別未婚男性の割合  
       20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳
  1992  59.7%  63.5%  68.0%  63.5%
  2002  72.4%  70.3%  72.4%  73.4%

 非正規社員やフリーターの増加などの社会要因が親との同居を押し上げた面があると分析しているが、男性の場合は正規社員でも同居率の上昇が顕著なのだ。どちらが原因で、どちらが結果かは判然としないが、家族の中でぬくぬくと納まっていれば、お金や面倒な手練手管も要る、女性との交際などあまり望まないかも知れない。

 一方、非婚化の風潮の中で最近、積水ハウスが、結婚しない娘と両親が暮らすための住宅プランを発表して話題になっている。非婚化は商売にもなり始めているようだ。
[PR]
by ydando | 2006-07-23 20:10 | 社会・教育
20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ
    ※親サイト「インターネットで読み解く!」連載
     第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」
     として執筆したもので、こちらではデータを一部省略しました。

 2005年国勢調査の速報集計結果が公表され始め、65歳以上人口の比率21.0%は世界最高、15歳未満人口の割合13.6%は世界で最も低い水準と少子高齢化が歴然とした。しかし、大きな論点が語られていない。2000年国勢調査では独自に分析した結果、出会い系サイトなどが思わぬ力を発揮して第107回「非婚化の進展をITが阻み始めた」を書くほど非婚化に一定の歯止めが掛かった。今回はその傾向が進むかと楽しみにしていたが、結論から言うと、非婚化への歯止めは大きく息切れしてしまい、生涯未婚率上昇が加速した。男性なら今の30代後半は4人に1人、20代後半は何と3人に1人が生涯独身を通す可能性が高い。女性は男性より生涯未婚率は大幅に低かったが、今の20代、30代は同世代男性に急接近しそうである。

 分析の方法は5年ごとに実施されている国勢調査の特性を利用して、5歳階級の世代ごとに過去6回調査間の5年間で未婚率を減らした%ポイントを計算する。「脱未婚ポイント」と名付けて集計すると、各世代がどの時期に、どのくらい結婚してきたのか一覧できる。(詳しい計算結果は親サイトに掲載)

 生涯未婚率は人口学上の概念で50歳時点での未婚率である。女性なら結婚しても子どもが出来る可能性が極めて低くなるので、そう定めた。男性でも50歳以上での結婚は少ない。若い世代の将来の結婚行動を見通す手段として、年上世代がそれぞれ直近の5年間にした「脱未婚ポイント」を積み重ねると仮定する。つまり、20代後半男性は現在72.6%の未婚率であり、30代前半世代の脱未婚21.6ポイント、30代後半世代の脱未婚12.0ポイント、40代前半世代の脱未婚3.8ポイント、40代後半世代の脱未婚1.1ポイント、50代前半世代の脱未婚0.6ポイントを合計した39.1ポイントしか未婚が減らないなら、差し引き33.5%が生涯未婚で残ると考える。

 50代以上は現実の未婚率、40代以下はこうして計算した推定の未婚率を採って生涯未婚率グラフにすると以下のようになる。2000年調査では40代、50代の男性に結婚熱が再燃して、動向次第では生涯未婚率を大きく動かすとも見えた。2005年になると、ずっと上の世代に比べると結婚への動きは活発ながら、2000年に見えたほどではない。例えば、50代前半男性は2000年までの5年間に1.1%も未婚率を下げたが、次の同世代は2005年までの5年間では0.6%下げただけだった。年上世代の結婚行動を年下世代も踏襲すると仮定すれば、このようなグラフになってしまう。
b0071191_1244842.jpg

 2002年に実施された国立社会保障・人口問題研究所の「第12回出生動向基本調査・結婚と出産に関する全国調査・独身者調査の結果概要」は「現在結婚することに利点があると感じているのは未婚男性の6割(62.3%)、未婚女性の7割(69.4%)であった。逆に男性の1/3(33.1%)、女性の1/4(26.3%)は結婚に利点はないと考えている。男女とも利点を感じない人がわずかずつ増えており、とりわけ男性で明瞭である」と分析し、「利点がない」とする割合が20代後半の生涯未婚率推定値とほぼ同じである点が示唆的だ。

 この調査は「国勢調査から推定される配偶関係の構成と本調査から得られる未婚者の異性交際の状況から、各年次、各年齢階級における異性のパートナーシップの状況を推定」しており、こちらも興味深い。元のグラフを是非、見てほしいが、20-24歳の一部分だけ数字を拾っておく。

《図Ⅱ-3-3 年齢階級別にみた、パートナーシップ構成の変化》
 20-24歳:[男性]
   結婚 同棲 婚約中 恋人あり 異性の友人あり 交際相手なし 
1987  7%  -   2%    23%    25%    41%
2002  7%  3%   2%    26%    13%    50%
20-24歳:[女性]
   結婚 同棲 婚約中 恋人あり 異性の友人あり 交際相手なし
1987 17%  -   4%    26%    22%    31%
2002 11%  3%   3%    34%    12%    38%

 15年前と比較すれば、「恋人あり」や「同棲」が増え、逆に「交際相手なし」も増える、男女交際の両極端化が進んでいる。青春真っ直中、20-24歳の男性に交際相手なしが50%もいるとは、「それほどに仕事漬けなのか」「いったい何をして日を送っているのか」と聞きたくなる。

 もうひとつ、同棲経験について「25~29歳での増加が目立ち、今回調査では男性10.3%、女性10.0%と初めて1割に達した。しかしながら、現在同棲を継続している未婚男女は、最も多い25~29歳でも3%足らずであり、いまだ少数派である」と報告している点も目を引く。

 廣嶋清志・島根大法文学部教授が「人口学からみた性別――晩婚化・非婚化の原因と展望」でここに取り上げた非婚化や晩婚化について論じている。「多くの曲折はあるとしても基本的には結婚を含む社会関係が全体的に自立した個人間の関係へ変化する過程であり、また女性の社会的地位向上の過程ということができるであろう」「欧米の第2の人口転換といわれる過程は、同様の本質を持つものであるが、比較的多くの国で同棲が増加し、出生率低下を緩和している点で日本と異なっている」「日本の社会変化がいっそう進行すれば、いままでみてきたように、おおむね逆に晩婚化・非婚化を緩和していくものと考えられる。しかし、それがいつ頃になるかを予測するのは難しい」

 生き物として子孫を残すのは本質的な行動なのだが、日本の社会状況では、ままならないことも理解できる。しかし、20代の男女で「交際相手なし」が50%とか38%と知り、生き物としての「ひ弱さ」を思うのは私だけだろうか。また、4人に1人、3人に1人と、これほど多数の生涯独身者を出すのなら、老後の生活保障や高齢者介護など社会システムの備え方も従来と大きく変えねばならない。

  ※生涯未婚関係の親サイト分野別入り口・・・《人口・歴史》
[PR]
by ydando | 2006-07-16 01:36 | 社会・教育