◆新ブログに移行します◆Blog vs. Media 時評blog.dandoweb.comへどうぞ ――――――――――― ネットジャーナリズム活性化のために3/9=圧縮音楽の改善2/11=失敗国家と紙消費2/9=「ウェブ通」リンク集
by ydando
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
<   2006年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧
GMが1兆円弱の巨額赤字/ハマスの評議会選挙圧勝
 親サイトにある「英語版」は米ゼネラル・モータース(GM)に問題があるとアクセスが増える傾向にあり、数日前から気になっていたら案の定、2005年通期で9900億円の赤字が発表されました。赤字は13年ぶりで、過去5年分の黒字を吹き飛ばすほど巨額です。米国市場での劣勢は進むばかり。シェアは1.3ポイント減の25.9%と過去最低、10-12月期だけなら23.8%ですから、後はつるべ落としでしょう。今年のGM新車は相も変わらず大型車中心です。ホンダがこれまで遠慮していた小型車フィットを米国市場に本格的に投入するなど、原油高を背景にした小型車化が急速に進むでしょうから、GMはもっともっと苦戦せざるを得なくなります。
 「GM、赤字1兆円の衝撃! 」が言っているように苦し紛れで自殺行為に走った面があります。「販売増加のための社員価格販売が首を絞めたといわれる。総額50万円引きが当たり前の世界では、赤字はとめどなく増加する。といって、これをダンピング止めると販売不振に陥る。安く売って赤字を出すか、販売低下で赤字を出すかの選択を迫られているのである。目先の収益を追って、社員価格販売に浮かれていたツケが回ってきたのだ」
 トヨタの奥田会長は「米国政府がGM救済に動くだろう」との趣旨の発言をしていましたが、今日の日経新聞によるとブッシュ大統領はウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで「政府支援を求めるべきでない」と語ったそうです。今年のうちに大きな危機、本物の破綻が来ておかしくない感じがします。

 米国の頭を悩ませる問題がもう一つ持ち上がりました。パレスチナ評議会選挙で前回は選挙ボイコットしたイスラム原理主義組織ハマスが、一挙に過半数を制して自治政府を組織する形勢になりました。予想外の大敗で、これまでの主流派ファタハの内閣は総辞職することになります。イスラエル殲滅を掲げている組織だけに、米国の反応は厳しいのだけれど、為す術を持たないでしょう。
 「ハマスと中東和平」は「ブッシュの声明は、[民主選挙は結構、然しイスラエルの破壊を旨とする政党とは付き合わない]とし、じゃどうするの?と問いたくなる。彼が金科玉条とする中東の民主主義とは何でしょう」と疑問を投げています。中東で選挙によって政権が変わるなんて、信じられないくらい健康的なことですから。「ハマス政権構造、外交姿勢の宣言これからだが、主導者筋からハマスは『生活運動』であり、後背の[アラブ、およびイスラム圏]と協同していく、との発言が見える」そうです。目が離せない状況が続きそうです。

 【1/28】「検証:GMクライシス(1)〜値引き販売が諸悪の根源」を見つけたので追加します。

 【1/29】ハマスの生の声を知るには「ハマスの指導者、候補者は何を主張したか―評議会選挙にみるパレスチナ情勢(其の2)」が参考になります。ハマスの憲章と今回の選挙綱領は違い「イスラエル潰滅を含めず」としています。
[PR]
by ydando | 2006-01-27 18:34 | 世界
ライブドア『虚業の楼閣』めぐる攻防 [ブログ時評46]
 IT銘柄の代表格であり、ホリエモンこと堀江貴文社長の下で急成長してきたライブドアに、東京地検特捜部が強制捜査に入った。容疑は関連会社の証券取引法違反ながら、ライブドア本体に粉飾決算の疑いが浮上、株式の上場が維持できるか疑問の声さえある。突如800億円の社債を発行し、フジテレビを照準にしたニッポン放送買収劇からほぼ1年。あれだけ世間を驚かせた資金力の実態が『虚業の楼閣』でしかなかったことを、ブログの書き手たちは解きほぐしている。

 子会社ライブドアマーケティングがマネーライフ社買収で演じた「偽計取引」の流れを図解整理している「ライブドア取引の整理:逆飛ばし疑惑を見てみる」(ちょーちょーちょーいい感じ)はこうみる。ライブドアとマネーライフ社の間に挟まる投資事業組合は「どの株を買って、いつ売って、というすべての判断は通常は運営者(業務執行組合員)に一任されます」「ライブドアが投資をしている組合が出資をしているものの、3つも間に挟んでいるので、2004年6月時点のマネーライフへの投資にライブドアが関与していた、というのは、一般的には実証しがたい」「今回は地検特捜部がメールサーバーなどを全部調べているらしいので、最後まで調査できるでしょう」

 株式交換による買収と株価が高騰しやすい株式分割を組み合わせ、インサイダー取引のように「利益が恣意的に作られたものなのであれば、利益は株価に密接につながっていますので、恣意的に株高が演出されたこととなり、その後、その高い株価を元に買収などで企業価値創出をしてきたのであれば、それは偽札を刷るのと同じ行為になってしまいます」と、問題点を指摘する。地検が狙う本丸は「偽札を刷る」行為だと。

 しかし、複雑な経済事犯で家宅捜索の令状を裁判官から取るのは容易でない。「ライブドアショック・検察の突破口を考える」(ビジネス法務の部屋)は事件の入り口に注目している。「証券取引法が保護しようとしている法益、つまり国民の有価証券の取引における安全性を害するような行為態様があれば、それは処罰の対象とされるわけです」「マネーライフ社の株式について、事実上はすでにライブドアの支配下にある投資事業組合が先に現金取得していたにもかかわらず」「あらたに株式交換という手法によって支配下に置く取引を行った、というものです。錯誤に陥れる相手方は税務署でも、取引相手方でも、一般投資家でもいいわけでして、有価証券取引が公正安全に行われるものと信じるについて保護に値する者に対して、その誤解を招く行為をすれば『偽計取引』に該当する、との判断があるのではないでしょうか」「『犯行目的』など立証する必要はないわけですから、これが最も確実に(おいしく)捜査令状をとれる部分ではなかったか」と推察する。

 「なるほど・・・これが『粉飾』ということですか」(ふぉーりん・あとにーの憂鬱)は本当の捜査目標らしい粉飾決算について考察する。買収時にライブドアの株価が2倍に「跳ね上がったとしましょう。投資組合は、株式交換で得たLD株式を市場で売却します」「この結果、投資組合には」2倍の現金が入る。「投資組合は解散し、財産である現金」を出資者であるライブドアに分配、損益計算書に「のっかる利益が出てくることになります。しかも、この利益をファイナンス事業を営む会社であげれば、営業利益の方に組み込む」「ここで出てくる『投資益』というのは、実質を考えれば、自己株処分差益なわけで、確かに企業会計上の考え方からいえば、本来は『資本取引』ということで損益計算書上の利益には影響を及ぼさないはず」であり、資本剰余金になるべきなのだ。

 自作自演した自社株取引のあぶく銭を営業利益にしなければならない体質を抉り出しているのが「ホリエモンの錬金術 -4」(ホリエモンの錬金術)である。2004年までのライブドア決算を解きほぐし、時々で処理方法が違ういかがわしさを具体的に取り出した上で「違法とされる粉飾決算であるかどうかは、会社の再監査をしてみなければ判断できませんので、現段階での判断は差し控えます」「ただ、適法か違法かの問題は再監査にゆだねるにしても、企業の経営実態を直視する経営診断という立場に立ってみますと、ライブドアは、上場以来、連結でも単体でも全く利益を出していない、それどころか、資本金と資本剰余金までも大幅に食い込んでいるもの(つまり欠損会社ということです)と考えられます」「これが30年間会計屋として飯を食ってきた私の判断です」と主張する。1999年から2004年の決算をつなぎ合わせれば6億円から始まり、477億円を一般投資家から集め、5年後に455億円しか残っていないから27億円余を食いつぶしたとの結論になる。

 ライブドアという会社の本質が、本来の事業で儲けていない虚業であることを明解に示すデータだ。本当の決算書は本業はどうにもならない赤字で、資本集めの項目だけが膨らむことになって誰からも見向きもされなくなる。それを避けるため、偽計行為が延々と繰り返されたのではないか。既に伝えられる中には単純に子会社の利益を赤字の本体に付け替えて黒字化する、お粗末な工作も含まれる。まさしく砂上の楼閣。800億円の社債発行は虚構の好業績と高株価で可能になったのだった。

 【23日午後、堀江社長が地検へ】任意の事情聴取が始まりました。日経は朝刊トップで金の流れまで書いた取引仕組み図まで押収と報じました。さて、身柄はどうなるか。
 【結局、即日逮捕に】東京へ新幹線で移動中に逮捕になりました。入り口の容疑ではもう証拠十分なのでしょう。
[PR]
by ydando | 2006-01-22 14:38 | 政治・経済
似てきた日韓バイオ論文捏造疑惑だが [ブログ時評45]
 ソウル大が黄禹錫教授によるヒト・クローン胚ES細胞作成を全て捏造と断定したのに続いて、日本でも東京大の調査委が著名な遺伝子研究者、多比良和誠教授の論文捏造は疑惑を晴らすことが出来なかったとの結論に達した。詳細が明らかになるにつれて、両者とも実験の過程を詳細に記録する原則を守らず、部下の研究者が出した実験結果を信じたとの弁明に落ち着きそうである。ノーベル賞級とも言われたクローン胚ES細胞ほど一般受けはしなかったが、多比良教授のRNAに関する論文も英ネイチャー、米サイエンス両誌に載って世界的な注目を集めた。

 黄教授はクローンの「源泉技術」では、なお優位にあると頑張っていたが、昨年末の韓国中央日報「黄教授『箸の技術』91年に日ですでに発表」は、日本の近畿大の真似をしているだけとのネット上の指摘を伝えた。業績中、クローン犬だけは本物とされても、大きな意義を見る専門家は少ない。2千個以上の大量の卵子を使えた研究環境だけが、生命倫理から躊躇していた他国との差だった可能性が高い。

 東大側の事情は「東京大学工学系研究科調査委員会による記者会見資料」に昨年9月までの経緯が述べられている。日本RNA学会から12論文への疑問が出されたのに応えて実験結果を検証できる資料提出を求めたが、納得がいかなかった。そこで、この1月初旬までに再現が容易と考えられたネイチャー誌など掲載4論文の再現実験を求めた。ところが、期限までに提出されたのは2件分だけで、それも論文の結果を再現していないという。実験当時とは何か微妙な条件の差が生じて再現できないこともあり得るが、4件とも駄目となれば信じてもらえなくて当然だ。

 「多比良さん、ピーンチ!」(スター・ウォーズ エピソード3を結局9回観た社長のブログ)は実験記録の重要性を具体的に書いている。「実験ノートって、今のバイオ研究にとっては物凄く重要なんですね。書式を統一して、鉛筆での記述は禁止、あとになって書き加えたりできないようにびっちり書くし、消しゴムの使用も勿論ダメ。記述後は第三者に確認してもらってサイン、あるいは押印してもらったり。そして通し番号を振って、一冊書き終わったらそれは金庫に保管」「なぁんでこんな厳密なことをやるかって、アメリカが先発明主義だからで、誰かが特許を申請したときに『いや、うちはもうそんなこととっくにやっちゃってましたよ』って言えるから。バイオベンチャーは医薬品開発に直結するので、特許の根拠となるノートは本当に重要なんです。その一冊が数百億円を産むかもしれない」

 ところが、企業では当たり前でも大学はそうでもなかったらしい。この研究分野の大家が「ふたつの論文の撤回」(柳田充弘の休憩時間)で「ある研究組織では、実験ノートのすべてのページにナンバーが打たれ、各ページに責任研究者のサインをすることに、これからなると聞きました。企業研究所などでは昔からあったことですが、大学などではあまり聞いたことがありませんでした。捏造問題はいまや危機的状況と意識されてきたのでしょう。科学者は牧歌的な時代の夢から完全に覚めなければいけないのかもしれません」と書いている。パソコンに実験装置から直接、データが入る場合もあろうが、紙にバックアップもしていなかったというのが、今回の日韓疑惑である。

 昨年は大阪大でもデータの捏造で、論文を取り下げる騒ぎがあった。「研究者の良心って‥‥」(さびしんぼうのブログ♪)は「不正や捏造が相次ぐ中で、文部科学省は昨年12月、研究現場の監視を強化し、不正を行った研究者に罰則を科す制度を導入することを決定した」「罰則制度という縛りがないと、もはや日本の科学者は、正義をつらぬくことができないのだろうか?これも研究界における業績主義、成果主義のなれの果てなのだろうか」と、疑問を投げかけている。

 2004年春、国立大学法人化を貫いたのは、その業績主義の風だった。しかも、業績主義なのに、きちんとした評価システムが無い点が決定的に悪い。私の連載第145回「大学改革は最悪のスタートに」" A Worst Possible Beginning to University Reform"で、日本では専門家同士の相互評価・批判「ピアレビュー」が欧米でのように出来ていないことが問題であり、その能力育成が急務と指摘した。韓国でも国民的英雄、黄教授に対しては疑問のひとかけらも許さぬ風土が出来上がっていた。最初に口火を切ったテレビ局への逆風は大変だった。韓国ばかりでなく、日本でも研究者社会の自治能力が問われている。果断な処理で結果として体面を保ったソウル大に比べて、東大もマスメディアも淡白なのは何故か。
[PR]
by ydando | 2006-01-17 00:22 | 科学技術
正月スポーツでは『小さな華』だけど [ブログ時評44]
 元日のサッカー天皇杯決勝を頂点に、正月休みをはさんだスポーツ大会が目白押し。その中の全国高校ラグビーは比較すれば「小さな華」だけど、ドラマ「スクール・ウォーズ」のモデルになった京都の伏見工が5年ぶり4度目の優勝をし、マスメディアでも取り上げられ、ブログにコメントや観戦記が多い。

 この大会は5連覇を狙う啓光学園を中心にした大阪勢が圧倒的に強いと思われていた。ところが準決勝までに姿を消し、決勝は伏見工と桐蔭学園(神奈川)。どんな試合だったか、観戦記からは「二つの決勝戦」(しゅさいのブログ)を登場させよう。

 「強力フォワードで押し込む桐蔭学園に対し、バックスの展開力で勝負の伏見工業……てな戦前の予想に反して、フォワード戦でも当たり負けない伏見工業が、試合運びのうまさでも上回っての完勝。細かいパスがつながる、つながる。ホント、これ日本代表(サッカーの方)にも見習ってほしいです。短いパスが、ただ繋がるだけじゃなくて、ちゃんとそこに繋げる『意味』があるパスなのだ。突出したスター選手はいなかったけど、伏見工のラグビー、ちょっとファンになっちまった」

 「『信は力なり』高校ラグビー、伏見工優勝」(迷解!スポーツ観戦記)も言う。「伏見工は、仲間を信じるという『信は力なり』を体現するハンドリングラグビー」「バックスだけではなく、FWのNo.8、 フランカー陣だって、繋ぐ、繋ぐ。モールやラックからNo.8がサイドを突くと同時にそばの選手にパスし、1人で、2人の選手を引きつけ潰れ、味方を抜け出させたプレー。攻めにかかればボールを支配し続け、相手に奪われれば、最後までタックルやターンオーバーを狙い続ける」

 ラグビーは離合集散の妙。いま主流になっている重量級フォワードで蹴散らして進む戦法は、実はあまり好まない。体格が違う欧州や豪・ニュージーランドのチームには、そうされてしまうのだが、ラグビー日本代表には不可能である。「伏見工のような、走力とハンドリングの魅力的なラグビーが、日本代表のレベルでも見たいものだ」。私もそう思う。

 「スクール・ウォーズ」の熱血先生は、現在では総監督を務める山口良治さんである。「ラグビーシーズン」(沖縄人になりたい東京下町男の物語)は高校、大学とラグビーをし、山口さんと接触した体験を語る。「大学の夏のオフの時に伏見工の練習に参加した時にお世話になった。世間様からは泣き虫先生などと呼ばれているが、部員達からは鬼と呼ばれている。でも実際にお会いしてこんな方に指導を受けたら幸せだなぁと感じたものである。厳しいが熱いし素晴らしい指導をされる。人のミスを責めたりしない、みんなで補いミスをチャンスに変える事が大事だと教える」

 公立の工業高校だから、体格の良い選手を集められる体育系の学科を持つ訳ではない。そういう条件下で全国の最高レベルと戦う、知恵と情の指導なのだろう。現在の高崎利明監督は1980年全国初制覇の中心メンバーだった。山口さんからバトンタッチされて8シーズン目になる。その監督、総監督を差し置いて、主将の杉本勇二君が真っ先に胴上げされた。決勝前夜の夕食前に、何か緩んだ空気を感じて「このままでは勝てない」と部員に訴え、一気に引き締まったことを各紙が伝えている。

 朝日新聞「ひと」欄で彼の記事を読んだ「伏見工」(ひだりうみの株日記)はこう書く。「2年生の3学期と3年生の1学期はオール5。まさに文武両道」「ラグビーは高校までと決めていて、進学が決まっている同志社大学文化情報学部では『情報収集する力を身につけ、その時代で一番利益を上げられる会社を起したい』とのこと。18歳でそこまで決断できるってすばらしい」

 初優勝時の主将は神戸製鋼V7の立役者、平尾誠二さん。全国高校ラグビー決勝を最後の試合と決めて、企業家への道を歩みだす四半世紀後の後輩の姿に、変わらないもの、変わっていくものの対比を見てしまう。
[PR]
by ydando | 2006-01-09 00:26 | 文化スポーツ
「パフィー解読」は1週で3万超アクセス/岩波『世界』転載
 クリスマスイブにアップした「パフィーの米国ブレイクを解読する [ブログ時評43]」が、親サイトと合わせて年末の1週間で3万以上のアクセスを記録しました。私が名づけた「津波アクセス」が起きました。年が明けてからも増えているようです。昨年1年間のコラムでは最も多かったでしょう。2番手は「日本コミック発の香港映画が特大ヒット [ブログ時評28] 」で、こちらは2万5千くらいだったかな。

 もうひとつ報告です。恒例の岩波書店『世界』2月号への転載は「株狂騒の裏に潜んでいた経済中枢の欠陥 [ブログ時評42] 」にしました。新年になっても株式市場には奇妙なミスが続発しています。みずほ証券問題の裏にあるものも併せ考えると、この業界にはアンフェアな体質があると思えます。
[PR]
by ydando | 2006-01-07 21:39 | ネット
今年は、ますます流動的な世界へ
 きょう4日から完全な通常勤務の再開です。正月三日だけは、のんびり過ごしました。皆さんはいかがだったでしょうか。あちこちにトラックバックをいただいているので、ここで一括、お返事にします。

 年末年始の世界を見ていて、ロシアが同じロシア人の国ウクライナと天然ガス価格引き上げでもめ、ガス供給を停止しかけて、世界的に大きな失点をしました。ウクライナを通るパイプラインが西欧への供給ルートになっているのに、ウクライナ分だけ差し引いて流したら、西欧に着く分が落ち込んでしまったのです。現在は量を戻したようですが、エネルギー供給をロシアに頼もうとしていた国は一斉に別ルートの開拓に進むでしょう。いきなりガス供給を止める乱暴な国に大きく依存していて、大事があったら言い訳が出来ません。自由主義化したはずのロシアの強権体質が露骨に現れた事件でした。極東ロシアの天然ガス資源は魅力的でも、日本も安易に頼れない印象を持った方が多いのではありませんか。

 中国向けに優先して回されそうな、その極東のガス資源について、少し前に面白い記事を読みました。中国から極東ロシアへ移民が増えていて、極東ロシアが実質的に乗っ取られるとの論文を中国人留学生が書いたといいます。日本の少子化以上に、ロシアは少子化が酷い上に体制変革による後遺症でストレスが溜まり平均寿命が大変、短くなっています。ロシア人の大人はどんどん若死にして、子どもは生まれない一方、中国からの移民は何十万と入り、子どもはどんどんつくるのです。

 さて、年末に寺島実郎さんの講演を聴いて、印象に残った数字。日本の貿易構造は米国依存が強かった1990年頃とは大きく様変わりしていて、2005年上半期で貿易総額に占める比重は米国18.1%、大中華圏28.2%、アジア46.3%にまでなったそうです。大中華圏とは中国・台湾・香港・シンガポールを総称しています。シンガポールの華僑が主導したビジネスが中国本土で大きな生産につながったりしている現状を、既存国境だけで仕切るのはおかしいのです。8年前と古い記事ですが、第34回「『アジアの時代』は潰えたのか」に書いた事柄が表面に現れて来たと思いました。シンガポールは華僑と印僑の接点でもあり、思わぬモノが生まれてくる可能性も宿します。
[PR]
by ydando | 2006-01-04 18:48 | 世界