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by ydando
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ブログ開設1年を経て
 このブログを開設して11月末で1年が過ぎました。時事ニュース系のブログ記事をテーマごとに収集し、有名無名にこだわらず、光る書き込みを選んできました。ストーリーにまとめて「ブログ時評**シリーズ」をアップするとともに、私のメールマガジンでも配信してきました。岩波書店の月刊誌『世界』への転載も12月号の「医療制度改革試案とメディアの虚栄」までで9回になりました。

 ほぼ当初計画の通りに進んできたのですが、9月の総選挙が少々、誤算でした。当時は会社で世論調査を担当している立場で選挙情勢分析もしますから、妙な先入観念を持ちたくなかった訳です。微妙な素データのあやを冷静に見るには必要です。ブログでは快刀乱麻にやるのが爽快ですが、あまりどちらかに偏した記事は作りたくなかったのです。注意深い方はこの時期、トーンが変化した事に気付かれたかも知れません。

 そうこうしている間に、春先に動きだし評判になった神奈川新聞「カナロコ」を超える形で、新聞各社でブログに挑戦するところが出てきました。素人ジャーナリズム派のライブドアPJやツカサネット新聞が「市民記者サイトは高い敷居を持つべし」で指摘した程度に止まっている中で、注目すべき現象です。次回はそれをウオッチしてみたいと思っています。
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by ydando | 2005-11-30 20:59 | ジャーナリズム
仏の暴動と名神7ブラジル人死亡事故 [ブログ時評40]
 フランス各地で10月下旬から起きている暴動に対する非常事態宣言が、11月21日から3カ月延長されることになった。当初は若気の至りとも見えた放火や暴動だが、都市郊外の「ゲットー」に押し込められた北アフリカ・アラブ系移民二世、三世による政治闘争との認識に変わった。「どれだけの履歴書が名前や住所を理由にゴミ箱行きになっていることか」と14日のシラク大統領演説は、若者たちに就業の機会をと、なだめにかかった。この演説の前日未明、滋賀県内の名神高速道で大型トラックなど7台による多重事故が発生、7人出た死亡者が全員、出稼ぎ日系ブラジル人だった。フランスの騒ぎと日本の多民族社会化を考えたい。

 中野真紀子さん訳のダグ・アイルランド「フランスはなぜ燃えているのか」は人口の1割以上を占める移民と子孫たちが郊外に特別に建設された高層団地に住まわされ、希望を持てない状況を説いた上で、サルコジ内相の「社会のクズ一掃」発言を解説する。「一掃」の原語は「超圧縮空気で砂や水を吹きつけて表面を洗浄するシステム」を意味し、「こびりついた汚れ(ハトの糞のような)を乱暴にこそぎ落とし、ときには表面を痛めてもしかたがないというニュアンスを持っている。そういう言葉を人間の若者にあてはめて、戦略として唱え」「内相の地位にある人物の口から政策として提案されるというのは、実際に口には出さないが『民族浄化』が声高に宣言されたのとあまり変わらない」というのである。若者たちが存在そのものを否定されたからこそ、全国へ飛び火せざるを得なかった。

 収拾のためにド・ヴィルパン首相は地域問題改善へ梃入れを約束した。「置き去りに去れた郊外・燃える郊外(中期的観察 その2)」が若者たちの闘争により、過去3年余りの右派政権で「貧困地域で活動するアソシエーションへの一度は廃止された援助を再度勝ち取」った意味を詳しく説明する。「アソシエーション」は日本のNPO法人に近く、手続きが面倒な日本と違い複数の人が集まれば成立し、届け出れば簡単に法人格が得られる。現在で100万団体、前には所により何倍もあった。この草の根活動が郊外団地ゲットーの矛盾を緩和し、雇用の創出にも役立っていた。「しかし、上のような歴史的経緯を身を持って体験している人々にとっては、手放しで喜べるものではない。何を今更という気持ちを持っている人は多い。もう多くのアソシエーションが政策の誤りのために消滅した」「それに、非常事態宣言が3ヶ月も続く中で、新しい文化活動の企画書など書く気になれるのは、まれに見るオプティミストだ」

 アソシエーション以前を考えると、遠い昔に共産党や労働組合が郊外で力を持った時期もあった。しかし、そうした活動も本質的な解決にはならない。人口がこれだけある大勢力から一人の国会議員も出していないと言われるのだから「階級社会フランス」の面目躍如である。

 アラブ側からはどう見えるのか。中東報道研究機関(メムリ)の「フランスの暴動に対するアラブ、ムスリム世界の反応」はフランスの社会体制批判から在仏アラブ系社会への忠告まで広い。後者の意見を紹介しよう。サウジアラビアのコラムニスト、アル・ムーサ博士は「パリの業火は、アラブ移民社会に溜まっていたものにも火をつけた。アラブは、自分とは違った文化と共存できない。理由は簡単である。つまり今日アラブは、世界文化の軌道からはずれて、ひとりだけ回転しているのである。移民が新しい国に根をおろそうとしても、先住の市民と平等の地位を確立できない。後から後から来るアラブ移民はどの世代もこの点を理解せず、この事実を直視できない。フランスが移民受入れ国としてはベストであるのにだ」と厳しい。

 翻って日本の多民族化をみよう。名神事故で死んだ若いブラジル人7人は人材派遣会社から滋賀県の自動車部品製造会社に送り込まれて働き、母国に仕送りしながら、家や店を持つ夢を抱いていた。日系ブラジル人は愛知を中心にした中部地区と関東に偏在していて「きつい、汚い、危険な」いわゆる3K職場に携わっているとみられる。中でも群馬県大泉町は人口43000人の15%が外国人、日系ブラジル人だけで5000人と、国内で最も外国人比率が高い町だ。

 東松山市国際交流協会の「群馬県大泉町視察」が現状をレポートしている。「現在は『出稼ぎ』の時代は終わり、家族で来日、生活の拠点が日本に移りつつある。しかし、教育の現状には問題点が多い」「いずれ母国へ帰るから、両親が共働きなので兄弟の面倒をみる等の理由から就学しないケース、日本の学校に編入した時点での教育の遅れや言葉の壁にぶつかり不登校になるケース、親の勝手でブラジルのお祭り等に合わせて家族で帰国、数ヶ月間過ごし、再び日本の学校へ戻っても授業についてゆけなくなるケースなど問題の原因も様々である」。こうして落ちこぼれた子どもたちを犯罪の罠が待つ。「最近は求人条件が厳しく、高い日本語力が求められるという。職に就けない若者や言葉がわからず時間を持て余す子どもたちが関わる種々の犯罪で留置場がブラジル人で埋まることも。その多くは、麻薬関係である」

  書評『日系ブラジル人の定住化と地域社会 』にはこうある。「太田市も大泉町も、集住度が低い一般民間のアパートでは、『棲み分け』が進み、またそれが進行しているが、日本人側から日系人に対する『負のイメージ』が拡大してきていると本書は指摘している」。どうやら日本版「ゲットー」が出来かけているらしい。人口減少時代を迎えて外国人労働者は増えざるを得ない。フランスの暴動と我々は無縁ではない。

 【参考資料】都道府県別外国人登録者数
  第73回「非婚化の先に見える多民族社会」
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by ydando | 2005-11-23 00:01 | 世界
フジモリ問題なら田中宇さんの解説が
 元ペルー大統領のフジモリ氏が、大統領選を控えて隣国チリに入国し、拘束されています。ペルーは日本側がチリで接触したのを不満として、駐日大使を実質的に召還したり、韓国で開催のアジア太平洋経済協力会議(APEC)では大統領が小泉首相に首脳会談を申し入れて、逆に断られたりと動きが急です。本国で訴追されている元大統領が再び選挙に出て、勝とうとしている不思議な話。興味を持って調べ始めたら、「国際ニュース解説・世界はどう動いているか」の田中宇さんが15日に「フジモリの勝算」を公開していました。多数の英語情報サイトをウオッチして書く、いつものスタイルで新聞の国際面にも無い情報を積み上げています。

 例えば「チリには、かつてフジモリ政権に取り入って有利なビジネスを展開していたペルー人実業家4人が、フジモリの失脚後にペルーから逃げてきている。彼らは、フジモリの悪事に協力していたとしてペルー政府から訴追されており、ペルー政府はチリ政府に対し、彼らの引き渡しを求めた」「だがチリの裁判所は、ペルー政府の4人に対する訴追は妥当なものではないと判断し、引き渡し要求を却下している。このチリの判断は、間接的に、フジモリに対するペルー政府の訴追が妥当でないと判断するものになっており、この判例から考えると、チリの裁判所は、フジモリ自身に対するペルー政府の引き渡し要求も、却下する可能性がある」の部分など、各紙の国際面に断片的に出ている情報が流れとして理解できました。同じスペイン語圏チリの裁判所の力を借りてペルーでの訴追が不当と証明する戦略という訳です。

 なぜチリに入ったのか、納得がいく解説です。この問題では現時点では付け加えることも無いようなので、興味がある方に紹介しておきます。
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by ydando | 2005-11-17 18:03 | 世界
毎日新聞の《双方向》「まいまいクラブ」がオープン
 双方向コミュニケーションをうたった毎日新聞「まいまいクラブ」が11月14日にオープンしました。「記者の目・読者の目」「ニュースに一言」など提供された話題に読者からコメントが付けられるシステムです。テクノラティなどを見てもあまり話題になっていないようですが、今日15日の日中は非常に重い状態でしたから、相当のアクセスがあったと思われます。

 さて、いま一番コメントが多いコーナーは「暮らしに一言」の「ウォームビズ あなたの省エネ対策は?」の13件です。神奈川新聞カナロコが大評判になった割に、素人記者のブログに反応があっても新聞記者との「双方向交流」の点で成功とは言えませんでした。これを考慮してか、生ニュースではなく、コラムや週替わりのテーマで読者のコメントを引き出そうとしています。ただし、コメントは会員登録をした上で、管理者が読んで承認する仕組みです。書いたら直ぐに掲載されるようなフランクさはありません。

 どう育つのか、見守っていきたいと思いますが、ネットに慣れている人には不自由な印象があるかもしれませんね。毎日新聞のウェブでも案内は目立ちません。何百万部と部数を持つ新聞が1面に社告を出しているですから、当然、人は集まりますが、ブロガーを念頭に置いていないのかもしれません。毎日の「公認」ブログである理系白書ブログなどもオープンに触れていません。
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by ydando | 2005-11-15 23:01 | ジャーナリズム
メディアの公権力監視精神はどこへ [ブログ時評39]
 奈良県「子どもを犯罪の被害から守る条例」が初適用され、家宅捜索を受けた生駒市の無職男性(23)が児童ポルノDVD1枚だけの所持容疑で「書類送検へ」との記事が11月初旬、ほとんどの新聞に出た。児童ポルノ禁止法では単純所持には罰則は無いが、この条例は「30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」とし、販売目的でない単純所持まで縛ることに、この夏の制定時から異論があった。私が驚いたのは、各紙ともに淡々と事実経過を伝えるだけで何の論評も加えなかったことだ。無職男性は他県での児童ポルノ大量販売事件の捜査から購入者として浮上したらしい。そこで家宅捜索となる時点で、私ならまず疑問を持つ。条例はもう出来てしまったから罪は罪とし、ここまで強制捜査を容認してよいのか。

 「逮捕」と事実関係を誤認しているが、「これってど~なんだろう」の、以下引用する感覚が普通の市民のものではないか。「少し怖い気がした。児童ポルノを販売した側ではなく、購入しても捕まるのだからある意味、性癖や趣味にも弾圧を受けるということになる。しかも家宅捜索までされて成人Hビデオのことまで晒されるなんて!」

 「ついにロリパージ法発動! 奈良県で単純所持容疑による逮捕者が 三次炉DVD一枚でパクられるってよ」はもっと直截に抗議している。「逮捕された23歳の青年は、具体的に児童の人権侵害に何一つ加担していない」「疑いがあったというだけで家宅捜索に踏みきり、たった一枚の裏DVDを探し当てるのに本格的なガサを叩き込んだ」「逮捕された人もどうやらガチロリというわけではなく、全般的な関心を持っているエロマニアは全て弾圧される可能性がある」

 「奈良女児誘拐殺害事件の被告は、高校時代にポルノアニメを見たことで年少女児を性の対象として見るようになったと指摘されています。しかし、そんな説明で単純に納得してしまう、その知的怠惰こそが問題なのです。性犯罪が生じるにはもっと複雑なメカニズムがあるのであって、そこに切り込んでいくことなしに事件の発生を防止することはできません」と、子どもの権利の専門家は言っている。その「奈良県『子どもを犯罪の被害から守る条例(案)』」は単純所持・保管について「児童買春・児童ポルノ法の制定・改正過程でさんざん議論されました。児童買春・児童ポルノ法改正(2004年)で単純所持禁止の宣言規定でさえ導入されなかったのには相応の理由があるのですが、今回の提案はその経緯をほとんど無視しているかのようです」と指摘する。

 条例初適用の場面でメディア側に、家宅捜索という公権力行使へのチェック意思が全く見られなかったことを憂慮する。公権力監視の精神に衰えがあると感じざるを得ない。警察担当は多くの報道機関で駆け出し記者を訓練する格好の場になっている。世間の荒波を知らない若手に社会勉強をしてもらい、個性的なキャラクターが多い警察官との付き合い方も学ぶ。事件・事故の原稿は短いから訓練がし易い。表面的にはそういう事情だが、サツ回りの第一義は警察による公権力行使に不当がないか監視することだと、私は教えられたし、後輩にも教えた。日常の事件事故取材は、不当な人権侵害が無いか、あぶり出す手段のようなものだ。

 NHK大津放送局の警察担当記者による放火事件のショックを、私は報道一般と少し違った文脈から感じている。2年生記者は上司から連日のように叱責されて、うつ病的状態になった。どんな説教をしたのかまでは聞いていないが、サツ回りの第一義をきちんと教えたのだろうか。日常は走り使いをしているようでも、公権力監視の最前線を任されていることを理解させただろうか。理解していたら放火に走ることはなかろう。ブログの世界を見回すと「どこの会社でも放火犯くらい出る。記者だからと非難するのはマスコミ人の思い上がりだ」との批判がある。でも、少しは違うと理解してもらえよう。人権侵害という比較的わかり易い場面の監視訓練を経て、次は行政機関の利権がらみの画策や、為すべきことをしない怠慢のチェックへと進む。先日、「医療制度改革試案とメディアの虚栄 [ブログ時評37]」で論じたように、困ったことに中央官庁周辺でも公権力監視精神に衰えがある。
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by ydando | 2005-11-13 22:06 | ジャーナリズム
映像コンテンツ視聴生活に新しい局面  [ブログ時評38]
 アップルコンピュータの新型iPodの小さな画面で見る1本300円のビデオクリップが、スタートから20日間で100万本以上売れた。「iTunes Music Storeからのビデオダウンロード、はやくも100万本突破」という11月1日のニュースが国内の放送業界にも波紋を投げている。翌2日に大阪で開いた民間放送全国大会のシンポでも早速、取り上げられた。放送関係者は放映したコンテンツをネットでも売れるようにしなければバスに乗り遅れると捉えている。いわゆる放送とネットの融合だが、道筋はそれだけだろうか。ひょっとすると、いまテレビ界が支配していた映像コンテンツ視聴生活が、ネットベースに大きく様変わりする契機になるかもしれない。既に「iPod Movie for Windows」(Information from Overseas)のように手持ちビデオコンテンツをiPod向けに変換する人も出ている。

 様変わりを思わせる基盤が別にある。ベータ版ながら9月からGoogle Videoが専用ソフトでなくても見られるようになった。時間がある時に遊びに行ってほしい。ブログを観察していると、アニメなどのクリップを見つけている人が多い。(一例 http://wxxxlog.jugem.jp/?eid=82)それだけでは、もったいない。現在は英語入力なので何かと不自由だが、例えば「tsunami」と入れて探せばインド洋大津波の模様を撮影した素人ビデオがいくつも見つかる。グーグルビデオは、お金が無くて自分ではサーバーを持てない人から、ビデオのアップロードを認めている。映像ニュースを伝えるのがテレビ局である必要は無くなるということだ。「earthquake」と入れればパキスタン大地震のビデオが出てくるのだから、次にこうした大災害が起きたとき、どんな映像が出てくるか注目である。

 アップルのビデオクリップは買わなくても、プレビューでも結構楽しめる。「iTunes6」をインストールすれば簡単に見られるから、これも試みて欲しい。Google Videoの世界と合わせて、広大な新領域が視界に広がる。本格的に日本産コンテンツが加わったらどんなだろうと想像してしまう。あまり目立たないが、市民が撮影したビデオが相当なボリュームに達しつつある。Google Videoの本番が動き出せば、そうした市民ビデオに脚光を浴びせるだろう。例を挙げれば「市民のビデオ ライブラリー」とここからリンクされているサイトで、各地の風景や行事、音楽ライブやニュースなどの作品が提供されている。高速回線を持っていればハイビジョン映像がそのまま見られる。

 新聞、特に全国紙にも取材網を生かした新しい可能性が開けると思う。別にテレビ番組を作ろうというのではない。デジカメで撮れる1分間のビデオクリップを全国各地から毎日100本、200本集めるくらいは、全国に展開している取材網で出来る。各地の行事・食・風物など集めるジャンルや、どう味付けして使うかで、色々と差別化できるだろう。1年掛ければビデオクリップ3~6万本を日本地図の上にびっしりと並べたライブラリーになる。例えば、どこかを旅している人に、気になる場所のピンポイントのビデオクリップを、ケータイやカーナビで引き出して見せるビジネスだって出来る。iPodに対抗しようとしているソニーの携帯ゲーム機PSPなども含めて、多彩なビデオクリップを携帯機器で楽しむライフスタイルが一般化すれば、テレビディスプレイに括りつけられている視聴生活の常識が崩れるのではないか。
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by ydando | 2005-11-08 00:41 | 文化スポーツ