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by ydando
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ブログ選挙!? 実力のほどをわきまえて謙虚に
 自民党の幹事長がメルマガやブログの作者を招いて懇談した初物現象も加わってか、「ブログ選挙」という言葉が一人歩きを始めようとしています。ブログの隆盛期とぶつかった総選挙に何らかの影響をもたらすはずですが、ブログの実力はまだ、たかが知れていることをデータで示し、ブロガー側が磨かねばならない課題を指摘したいと思います。

 【簡単なブログ伝播力の測定結果】

 ブロガーの皆さんからも秀作推薦を募り、200編以上のブログ記事を読んで書いた「小泉郵政解散へ賛成論と反対論まとめ [ブログ時評32]」は多くのウェブやブログから好意的な評価をいただきました。例えば「はてなブックマーク」で「このエントリーをブックマークしているユーザー 」の数は50は超えていたようです。

 私の持つ二つのサイト「インターネットで読み解く!」「ブログ時評」とで21日から公開、その後5日間にどれくらい、この「まとめ」にアクセスがあったか集計すると約2万件です。メルマガで配信した約14000部はこれには含みません。

 では2万件のうちブログを経由しきたアクセスはどれくらいでしょうか。「はてなブックマーク」関係やRSSリーダー経由と思われるものを加え、最大に見積もって4000件にしかならないのです。残りの圧倒的多数は個人ニュースサイトと呼ばれるところ経由です。今回の大所は「TBN」「かーずSP」で、前者が3500件、後者が2000件くらい。さらに多数の個人ニュースサイトが参加して例の「津波アクセス」が起きました。

 ブログ上の総選挙をめぐる議論は傍目にはとても盛り上がっているように見えますが、ブログの情報伝播力を客観的に評価すれば、まだ、この程度の力しかありません。あちこちのブログでオススメにしてもらっていても、ブログによるリンクの力は弱いのです。おそらく時事・論壇系のブログに出入りする人口は大した規模でないのでしょう。一方、1日に何万件もアクセスがある個人ニュースサイトはそれぞれに趣味系の強力な売りモノを持っていて、そこに来る人たちの1、2割が時事系の話題に反応する構図になっています。世論に影響を与えるとまでは言わないにせよ、「ブログ選挙スタート」と胸を張るためには、国内で先発しているネットパワー、メルマガや個人ニュースサイトの力を借りざるを得ないと思います。

 【視野狭窄と知的衰弱から脱皮を】

 今回の「まとめ」を書こうと思いついたのは、個々のブログが先鋭であればあるほど視野狭窄に陥る可能性が高いと見たからです。訪問してくる熱心なファンと一緒になって盛り上がってくると、批判的なコメントを残す人に「そんなのは○○派のブログに行ってやれ」と罵声を浴びせる有様にもなっています。解散総選挙となれば論点は非常に多岐になります。どれかを語ったから済むはずもありません。具体的に多くの論点を見てもらうのが一番です。

 私の企画に対して異論もありました。「はてなブックマーク」の多数支持エントリーを集めたら、自然に優れた賛否両論が集まるさ、と楽観的に言われる方がありましたが、すぐに無理と気づかれたようです。賛否のバランスが崩れているし、人気エントリーが質的にも高いとは限らないのは、ちょっと読めば見て取れます。適当なハブサイトが自然に生まれる状況でもありませんでしたし、手間を承知で私の鑑識眼で読み集めるしか無いと判断しました。

 劇場型の「わかりやすさ」に流れる現状では、論点が多い記事を読むのはとても辛いようです。優れた意見も並列でずらりと並べられたのでは、読むのがしんどいのです。今回の「まとめ」について「頭が煮えている私にはちょうど良い」と、どなたかが評されていたように、各要素がどう関連しているのか見えるようにストーリー仕立てになっています。これで必要な視野を確保して各論に踏み込んでいただきたい、というのが私の希望です。既に突っ込んだ各論があちこちで展開され始めています。選挙の裏話的なものに突き進みがちなメディア報道より、しっかりした分析が読めます。この際、広く見渡して勉強しましょう。敢えて申し上げておきます。一言で言える結論しか見えていない知的衰弱が、大盛況のブログにもあると。
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by ydando | 2005-08-30 15:31 | ジャーナリズム
自民党から私にも声が掛かりましたが……
 「Sent: Tuesday, August 23, 2005 3:01 PM」で自民党から「メルマガ/ブログ作者と自民党幹部との懇談会」のご案内、と題したメールが、私にも届きました。『記者コラム「インターネットで読み解く!」』団藤保晴様宛なので、メルマガ作者扱いです。「■開催日 平成17年8月25日(木) 午後7時~8時 ■場所 自由民主党本部 4階 総裁応接室」に、新幹線ではるばる行かねばならない私が行けるはずもなく、パスです。

 もっと余裕がある設定なら出席しなくもなかったんですよ。ただ、現在、自民党と最も仲の悪い新聞、幹部が取材拒否を口走るほどの○○新聞記者であることも知らないのでしょう。いかにも準備不足で、リサーチが足りないことは歴然としています。20、30人を対象にしているそう。「Grip Blog 私が見た事実」の泉あいさんが押しかけてレポートしてくれるそうです。
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by ydando | 2005-08-25 20:23 | 政治・経済
小泉郵政解散へ賛成論と反対論まとめ [ブログ時評32]
 今回の衆院解散について、ブログで書かれている膨大な賛否両論から読むに価するものを拾って記録しておくことにした。ブログ隆盛期にぶつかった大衆の関心を呼ぶ特大事件として、ただ盛り上がったとするには惜しいからだ。代表的なものを選んだが、同様趣旨の議論がいくつもあったことを付記したい。その賛否両論に入る前に、政治学で英国留学中に書かれている「郵政民営化:小泉政治が日本の政治文化に与えた影響」(かみぽこぽこ。)で提示されている見方は重要なので読んでいただきたい。あろうことかホリエモンまで引っ張り出した“刺客”騒ぎで見えにくくなったが、小泉首相と反対派の殴り合いは政治闘争であり、感情論でやり口が汚いと言っても仕方がない。両者をイーブンに見てあげる位置に立って始めたい。

 「英国では総選挙で審判を受けて首相になった者は、選挙での公約をそのままトップダウンで実行する」「与党内に反対者が現れるような状況になったら首相は『人事権』を徹底的に使って反対を抑える」「強力な『人事権』は民主的に選出された首相に与えられた権利であって、それを自由に行使するのが民主主義的にも当然という考えが英国では普通だと思う。つまり、私は小泉首相が、自らの政治手法を『民主的であり全く問題はない(あるいは何が問題なのかわからない)』と考えているんじゃないかと思うのだ」「小泉首相と反対派は、激しく罵倒し合っていたけれども、『民主主義とはどうあるべきか』について、乱暴な言葉使いながら理論闘争をしていたという見方もできる。これをもう少し大きく捉えると、これまで『ボトムアップでコンセンサスを得ながら物事が決まっていくのが民主主義』と考えられていた日本で初めて、『国民の信認を得た政府がトップダウンで物事を決めていくのが民主主義』という考えが出てきた、ということだと思う」

 ◆賛成論◆

 敢えて言わせてもらうと今回の郵政民営化法案は、民営化の将来像が十分に描けていない生煮え案だと考えている。賛成論の方にも、それは認識されている。「衆議院解散の意味」(ロンドン投資銀行日記)は「実際問題としては、今回議案に上がっていた郵政民営化法案はどちらかというと三事業の区分を明確にするというレベルのものであって本格的な民営化からは程遠かった」としつつ「今回の一連の郵政民営化のポイントは、ちょっとでも郵政民営化の改革を進める気がある、つまりは日本の金融部門そして引いては企業と金融の健全な関係の確立と日本経済の再生を進める気がある政治家が誰で、利権と票集めにしか頭が回っていない無責任な政治家が誰かを見極める踏み絵になったと個人的には見ている」と主張する。確かに「踏み絵」の機会を作ったことに多くの方が賛意を表明している。

 背景にあるのは、失われた十年、いや十数年、分かっていながら進まない本質的な改革に、絶望的な思いすら広がってきたことだ。「政治家として嘘や夢物語を語らない、現実的な苦渋を伴う政策を主張し実行するというのは、残念ながら選挙では受けが悪い。もしこれで小泉首相が負けることがあれば、常に私が危惧している、日本は何も改革ができずこのままじわじわ弱体化し続け、それでも基礎体力があるから当分の間危機には達さず、大国の終焉を今後20年間見続けることになるということが実際になってしまうかもしれない」

 首相に問いかけられているのは国民だ、と「なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?」(趣味のWebデザイン)は呼びかける。「今回の選挙で問われているものがあるとすれば、それは国民の意識です(毎度のことですが)。郵政を民営化して、私の明日の生活にどんな利益があるのか? 田舎でサービスが低下するんじゃないのか? そんなことばかり考えている国民は、どうぞ民営化反対論者に与したらいい。人類ってのはそうして滅んでいくんですよ」「私は、この郵政民営化よりももっと大事なことがあると言う人がたくさんいるのも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるんですか。と、首相はいいました。選挙に勝たねばならないから、首相は国民の悪口はいっていない。けれども、この発言の内実は、まさに国民に対してぶつけられているのです。郵政民営化の先にある真の大改革とは何か。それは年金支払額のアップと給付額のダウン、医療補助の削減と保険料の上昇、大増税と行政サービスの大幅な低下です。戦後の混乱期を乗り越え、高度経済成長を達成してからの30年間、問題を先送りしてきたのは誰なのか。それは国民自身です」

 この首相メッセージがどう届いたか。一例をあげる。「衆議院解散(歴史的転換点)」(叡智の禁書図書館)は「8時台の総理の解散にあたっての記者会見を聞いて、ちょっと胸が熱くなってしまった。これは感動ものだと思った。かなり率直に総理が考える政治指針を政治姿勢を国民に語りかけていると思った。勿論、今回の選挙が自民党を決定的に潰す恐れが、現実にあるからなのだろうけど、それでもやはり心に響いた内容だった。日本にとって必要だと自分は政治家として確信しているし、それを党の公約としても言ってきたのだから、それを実施する為に可能な限りのことをする。そしてそれをYESというか、NOというかをまさに国民に課題として投げかけたわけであり、これについては率直に一国民として答えていきたいと感じた」と語る。

 そして、「勿論、その内容が正しいかどうかは、別である。決断しても、間違っている場合だってある。しかし、どの政治家を選べばいいかを国民の手に委ねた訳である、私達にとっては素晴らしい機会を手に入れたのだと思う。みんなが各人の判断で選んだ人が、まさに日本の未来を変えていくのだから、これはオリンピックとかとは比較にならない興奮モノである」と、総選挙にわくわくしている。各メディアが調べた内閣支持率が解散から上がり続けているのは、法案の是非を越えて、政治の選択を密室の中で行わず、総選挙という形で国民に委ねたことが、個人の胸に響いたからだろう。

 小泉ファンの間では、邪魔者を追い出して、これからこそと期待が高まっている。「郵政ぶっ潰れ解散!面白くなってきた!」(D.D.のたわごと)は言う。「郵政民営化自体は今一番に考えなければならないほど重要な問題ではないと誰もが思っているはずですが、腐りきった道路公団をナアナアで骨抜き民営化した問題、腐りきった厚生労働省と社会保険庁をナアナアで放置している問題など、とにかくうっぷんと閉塞感がたまりまくってます」「ところが純ちゃんも好きでこれらの改革を骨抜きにしたわけではなく、元凶の多くは純ちゃんの政治基盤である自民党の族議員どもにあるわけです」「今回、たとえ郵政民営化に反対したという別件逮捕的な罪状であろうとも、首相であり自民党党首である小泉純一郎の政権方針ならびに選挙公約にはっきりと逆らう連中があぶり出されたわけで、これらを自民党の公認から外すことができたのは大収穫!」

 減り続けていた小泉内閣メールマガジンの読者が再び増加に転じたことが示すように、見限りかけていた多くの小泉ファンに希望が見えてきた。おまけに胸のすくリーダーシップだったのだ。「郵政法案否決・衆院解散-小泉純一郎というリーダー」(堀義人blog)も「強引すぎる」などの世間の批判を退け、リーダーとして絶賛する。「調整型リーダーは、今のようなスピードが早く、改革を必要とする時代には必要ないのでは、と思う。今の時代は、明確なビジョンを提示して、常に一貫した姿勢で臨み、シンプルにコンパクトに組織をまとめ、わかりやすい言葉で説明する。そして、決断して、前に進める。抵抗勢力や感情論を持った人々に耳を傾けながらも、ビジョンと理念とで押し切る。それでも抵抗する人は、外に出てもらい、ノンストップで前に進める。そういうリーダーが必要とされている時代だと思う」

 ◆反対論◆

 郵政改革に従わぬ反対派を追い出し、本当に自民党を改革の党にするとの主張は額面通りだろうか――批判する側はそこにまず疑問を持つ。「郵政解散:小泉戦略の弱点は何か?」(ビジネス戦略を考える)は自民党という組織が変わる困難さを指摘する。「目指す自民党組織文化が何か具体的に分らないのは問題です。郵政民営化がすべての改革の入り口であるという論理は分りますが、改革が文化ではありません。必要な改革を果断なく生み出すことができる組織なら文化の一部と呼べるでしょう。それが見えないから、さまざまな批判も飛び出します。郵政民営化一点に絞った争点は、選挙戦略としては大変すぐれたものと思いますが、仮に勝ったからと言って自民党が改革党になるわけではありません。小泉戦略の弱点はそこです」

 「小泉純一郎の改革」(よろずもめごと論)も自民党の体質に同様な不信感をあらわにしている。「『自分が再選しなければ改革は止まってしまう』と主張したいのだろうが、しかし小泉が再選すれば元の黙阿弥となるだけである。自民党の総裁として『骨抜き』の改革を続けるしかなくなる。郵政民営化に反対を表明したごく一部の議員を排除すれば済むような小さい問題ではない。自民党がその支持基盤と全て縁を切り、議員を全員入れ替えなければならないくらい大きな問題である。そんなことは不可能だし、そうなればそれはもはや『自民党』とは言えないだろう」

 「この選挙は『郵政民営化』の是非などという目先の問題を問うべき選挙ではない。自民党によって『改革』を続けるか、与党を変えて『癒着の構造』を解体するかを選択するべき選挙であろう。小泉首相の最大の功績はその公約どおり『自民党をぶっ壊し』、選択の機会を国民に提供したことである」。代議士に自殺者まで出した心理的葛藤があった点は認めよう。しかし、議員が拠って立つ基盤に変化が無くて上部構造だけ変われるのかである。

 このまま総選挙で勝たせたら独裁になるとの懸念が広がっている。「大切な選挙を『郵政民営化』だけで単純に投票するのか」(スローライフ日記)はこう主張する。「しかし、本質的には今回の総選挙はそんな問題ではない。『暴走を止めるのか、一緒に暴走するのか』である。現在は、ぎりぎりの線で独裁政治(行き過ぎた小泉主導=独裁)は抑えられている。理由は様々であるが、今回の造反議員が結果、それを抑えた。しかし、この選挙で小泉が大勝したらその結果を理由として、堰を切ったように独裁の色は強くなり暴走が始まるだろう」「小泉は高い支持率をバックに本来なら良く考えて行うべき政策を即決でやってきた。自衛隊のイラク派遣などはその代表的なものだろう。『大量破壊兵器がある』といい理由で、きちんとした調査もせず自衛隊を派遣した。結局大量破壊兵器などは無かったわけだが、それでも開き直って自衛隊をイラクに置いたまま。『非戦闘地域』も『自衛隊がいるところだから非戦闘地域』挙句の果てには『私にわかるはずが無い』といい加減な答弁をしてそのまま」

 上の見方は「僭主政」に比す次の議論に通じる。「小泉総理の解散権行使に対するオブジェクション」(Bewaad Institute@Kasumigaseki)。「これまでも小泉総理は国政選挙・総裁選挙をともに信任投票的に活用し(郵政民営化が嫌だったら代えてくれ、という総裁選での言がその典型でしょう)、自らを選んだ以上はその統治を全面的に受け入れて当然だとしてきました。しかし本来、公約は政策パッケージにならざるを得ず、選挙の勝利はあくまで平均点としてパッケージがよいという以上の意味を有さないはずで、だからこそ公約を実際の政策とする際には別途プロセスを踏む必要があるのが自然です」「古代ギリシアの時代より、このような民衆の信認を背景に、自らに反対することをその立論ではなくその行為をもって民衆に仇なすものと位置づける政治手法は僭主政として警戒されてきました。そうは言ってもボナパルティズムにファシズム、ナチズムと歴史はその失敗を繰り返してきたわけですが、このような手法を用いる政治家は、その主張がどのようなものであれ、それを理由に批判されてしかるべきではないか」。たとえ勝っても、小泉ファンでない人も納得できるやり方をして欲しいものだ。

 今回の郵政民営化法案そのものについて疑問を投げる人も多い。「小泉『郵政民営化』の変遷-市場原理主義者に丸投げの失敗」(世に倦む日日)を代表としたい。「自民党の議員たちが合意した『郵政民営化』は、二年前の郵政公社法の制定と施行までであり、彼らからすれば郵政改革は公社化で一段落着いた話なのである。その政策法制上の取り纏めの中心にいたのが片山虎之助であり野田聖子だった。そこには竹中平蔵はいなかった。三事業解体と完全民営化、さらに株式売却まで党内の派閥や議員が認めていたわけではなく、だからこそ郵政部会で大紛糾したのであり、法案として確かな党内合意を取れないまま無理やり総務会にかけ、総務会を多数決で強行突破して衆院採決に持ち込み、今回の自民党分裂の政局にまで至ったのである。造反には理がある。小泉純一郎の失敗は『郵政民営化』を(USTRのエージェントである)市場原理主義者に丸投げしてしまったことだ」。米国による圧力を問題にする議論も盛んで、ほとんど謀略説と呼べるものまであるが、この場で吟味できるものではなかろう。また、民間銀行が融資先に事欠いて資金運用に大量の国債を買う現状があるのに、民営化するだけで資金の流れが変わる保証は無いとの指摘があちこちにあった。

 最後に小泉首相の体質について鋭い指摘を紹介したい。「郵政民営化に賛成です。しかし民主党に投票します」(知っていると女性も楽しい「通」学―)「小泉純一郎という首相は、本人も述べているように、『政策よりも政局が好き』な特異な首相です。冒頭に書いた『郵政民営化にかける小泉首相の執念』は、実は郵政民営化 『政策』への執念では無く、この『政局』を勝ち抜くために郵政民営化『政策』をとことん利用するという執念と断じることが出来ます」「八方ふさがりの外交問題から目をそらせ、年金を筆頭に問題山積の経済・福祉問題から目をそらせるには、『郵政民営化問題』は格好のテーマです。首相は内心では、きっと党内造反組に感謝をしていることでしょう」。確かに時をわずかに戻すと、客観情勢は行き詰まりそのものだった。


 こうしてブログの世界で生まれた賛否両論をストーリーとして読み通していただくと、小泉純一郎とは何者であり、出来ること、出来そうにないことが自ずと浮かび上がってくるように感じる。

 【参考】「インターネットで読み解く!」「小泉構造改革を考える」
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by ydando | 2005-08-21 00:06 | 政治・経済
『世界』9月号掲載は地上デジタル問題+頭文字D
 解散・総選挙プラス既定の雑用で走り回っていて、書き落としていましたが、岩波書店『世界』9月号には「無理を重ねた地上デジタルの副産物 [ブログ時評29]」「香港映画『頭文字D』を見た海外読者からのメールです」を掲載しています。

 約束の小泉郵政解散への賛否両論はいま仕上げ中です。間もなくリリースします。
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by ydando | 2005-08-20 18:50 | ネット
小泉郵政解散:賛否両論で秀逸ブログを募る
 小泉首相が断行した衆院解散について、ブログをウオッチしていると書き込みが膨大な量になっています。当然といえば当然ですが、もの凄い大衆的関心事である訳です。せっかく「ブログ時評」を営んでいるのですから、いつもより二歩ほど下がって、この論争状態をイーブンに書きとめておくべきかと思っています。自分でも賛否両論から読むに値するブログをピックアップしつつありますが、何せ量が多すぎるので、公平を期すためにも、皆さんが読んで秀逸と判断されたブログを募ることにしました。

 このコメント欄に書き込んで下さい。通常ルールと違い、リンク先を持たない書き込みもオーケーとします。トラックバックの形でもかまいません。締め切りは1週間後の17日。推薦されたものは必ずきちんと読んで、21日前後に時評としてまとめてみるつもりです。本当は賛否両論でハブサイトが自然発生すれば良いのですが、現実はそこまで行っていません。
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by ydando | 2005-08-10 13:08 | 政治・経済
大魔神・佐々木投手引退へのオマージュ
 日本人選手、大リーグ進出の一時代を築いた「大魔神」佐々木主浩投手(37)が9日の巨人戦を最後に引退します。改めて筆をとるよりも、彼の全盛期に書いた「インターネットで読み解く!」連載第92回「新・日本人大リーガーへの科学的頌歌」を紹介して、彼へのオマージュとします。

 特に「◆魔球・高速フォークボールの空気力学」の節で「フォークボールと剛速球の組み合わせは、金属バット強打者にも、大リーガーに対しても通用する。テレビ観戦の目にはとんでもないワンバウンドボールと映るフォークを、打者が強振してきりきり舞いする、その秘密」をご覧になってください。引用している論文のリンク先が健在ですから、両者の球筋がどうして区別できないのか示した写真なども見られます。
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by ydando | 2005-08-10 02:39 | 文化スポーツ
アップル配信で音楽業界の目は醒めるか [ブログ時評31]
 既に欧米で人気があるアップル社のネット上音楽配信サービス「iチューンズ・ミュージック・ストア」(iTMS)が8月4日、日本にも上陸し、マスメディアやネットユーザーの多くから好評を得ている。1曲150円が中心価格であるため、高止まりしていた国内の既存音楽配信サービスも一斉に価格引き下げに出た。

 使ってみた印象は聞きしに優るものだった。こなれた使い勝手、ジャンル多様、100万曲からのワイドセレクション、曲名をクリックするだけで30秒は聞けてしまう。評判しか知らない新しい曲、懐かしい曲、名指揮者の聞いていない盤など、とりあえず楽しんでいると際限が無い。既に2年以上も海外でサービスをしており、日本は20カ国目。Jポップはもちろん歌謡曲や演歌まで含めたローカライズにも抜け目は無い。

 AV-watchインタビュー「iTunes Music Store、日本での準備は100点満点」を引用しながら語っている「情熱」(la vie)の通りになって欲しいものだ。「音楽を愛している専任チームってところがAppleらしい」「このビジネスモデルが音楽業界に一石を投じて、業界、消費者、作詞・作曲者などなど、みんながWin-Winな関係になれるように良い方向に改善されていくといい」。しかし、ソニーやビクターなどの大手レーベルが楽曲を提供するのを拒んでいるのも事実だ。ちょっと聞いてみたいと探して見つからない歌謡曲ならいくつでも指摘できる。

 実は日本の音楽産業は危機的な状況にある日本レコード協会のデータから作成した次のグラフを見て欲しい。コンパクトディスクが登場した1984年から2004年までのディスク・テープ生産金額、つまり音楽ソフト生産額と歌手デビュー数との推移をいっしょに見てもらえるようにした。
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 音楽ソフト生産額は1998年の6074億円をピークに、際限が無い落ち込みに突入した。2004年の3774億円はピーク時の62%にすぎない。業界は不正なコピーやファイル交換の蔓延などを理由に挙げがちだが、実態は違うと考えている。ひとつの傍証に歌手デビュー数の流れを見て欲しい。生産がピークだった1998年には202人と最盛時の4割にも落ち込んでいる。この業界は全盛のピークにさしかかるころから地道な努力を厭いだした

 2002年に書いた連載第127回「音楽産業は自滅の道を転がる」と海外からも随分読まれた英訳版の指摘「マーケティング技術でつくられた特殊な好況構造への過度依存」が何十年もかけて蓄積した音源をこつこつと売る商売の仕方を吹き飛ばした。メガヒットでなければ無意味と、一攫千金の仕事にしか興味を無くし、次世代の才能を育てる努力を怠っているうちに、定番のように考えていたメガヒット・シングルが出なくなった。

 「音楽産業は自滅の道を転がる」で、これまで無視していた50代から上の世代にも目を向ければ、ネットでの音楽配信にも活路があると指摘した。しかし、実現した配信システムは曲の値段は法外だし、CD-Rへの焼き付けも出来ないなど問題点は放置されてきた。iTMSのシステムは当時からの私の問題意識にかなりの面で応えている。ここでレーベルの壁を持ち出して冷や水を掛けるのではなく、少しでも多くの音楽ファンに戻ってきてもらうことを最優先にして欲しい。そうでなければ、生産額グラフの一本調子の落ち込みにブレーキを掛けることは覚束ない。
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by ydando | 2005-08-07 16:50 | 文化スポーツ
首相が目指す国家を語れないで反対説得は無理
 郵政民営化法案をめぐる最後の攻防が、週明けに迫ってきました。参院本会議で「否決の公算大」とマスメディアで語られ始めています。最後に議場で心変わりする議員すら存在するでしょうし、否決が100%、衆院解散になるとの保証もありません。仮想の問題をいま議論しても空しいので、過去に公表している分析集「小泉構造改革を考える」から、時評「政権維持の強迫観念だった小泉改革」の一部を引用して、問題点を浮き彫りにして置きます。

   どうして同志ができないか。それは小泉改革が改革の必要性
  を説くばかりで、結局のところ、どんな国にしていくのか、目
  指す中身を語れないことにも原因がある。銀行、大学、高速道
  路、郵便局……と既存制度を壊した先に生み出す新しい姿を、
  小泉首相は語らない。民間にとか市場にとかしか言葉は現れな
  い。大蔵族トップの強迫観念として改革を語っているだけなの
  だから、新しい姿を持っているはずもない。私はいつかは語り
  出すのではと忍耐強く待ち続けたあげく、「丸投げ」の連発を
  見て、やはりと諦めた。
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by ydando | 2005-08-06 17:38 | 政治・経済
市民によるブログ運動に二つの方向
 「市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30]」に対して、立場が違う二つのレスポンスをいただきました。ウェブログ図書館 業務日誌「ツカサネット新聞を題材にして」と、「ネットは新聞を殺すのかblog」の「第3の市民記者新聞」とです。市民によるブログ運動とでも言うべきものがあるとすれば、二つに分かれる大きな節目にも感じられます。

 参加型ジャーナリズムの旗振り役を務めてきた「ネットは新聞を殺すのかblog」の湯川さんは「市民記者サイトに対する期待は団藤さんのそれとはちょっと異なり、個々の記事の質に関してはそれほど問題にはしていない。量の制約を質でカバーするのが既存メディアであり、個々の質の問題を量で圧倒するのが新しいネットメディアだと思っているからだ」と言われます。昨年末、ブログを始めて、盛んに唱えられている参加型ジャーナリズムの問題で何か噛み合わないと思って来た違和感が氷解しました。湯川さんと参加型ジャーナリズム論に群れていらっしゃる皆さんは「個々の質の問題を量で圧倒する」ことが可能と思われていたのですね。

 ウェブログ図書館長さんは私の立場に近いようです。私の問題意識「『特定のことについて非常に詳しい』ブロガーが、そのツボにはまって書いてくれれば読むに耐える市民記者サイトが出来よう」に対して、「登録された記事の時系列がはっきりしないという点に目をつぶれば、ウェブログ図書館がすでに実現している部分があるんじゃないか」と応えられています。この主張に、私は異論はありません。ある水準以上のブログ記事を大量に収集されているのは事実であり、新聞サイトなり、ニュースサイトなりの体をなしていないだけです。ただ、ともすれば怠惰に流れる大衆に提供するには、図書館の形でないエディットの腕が必要です。

 1997年から「インターネットで読み解く!」シリーズを始め、151回に到達しています。1回書くのに数百サイトは優に回ってきました。優れたウェブを作っている人たちに、まだブログの世界に乗り出さない方たちがいかに多いか知っています。この人たちを迎え入れる環境整備をした上で、現在のマスメディアの水準を抜く「大衆知の集合体」をどこかにつくりたいと考えています。その方法論はこれから考えるところですが、湯川さんの「参加型ジャーナリズム」とは遠い位置にいることだけは明白になったようです。
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by ydando | 2005-08-02 17:41 | ジャーナリズム