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by ydando
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奥田会長が米自動車業界支援を表明
 日経朝刊1面でトヨタ自動車会長でもある「奥田・経団連会長、米自動車産業への支援必要」が大きく扱われていました。2週前に書いた「日本の自動車産業は世界を幸せにしない [ブログ時評18]」で憂えていることに近い理解があるようにも感じられました。「技術提携するとか、価格を変えるとか可能性はある」との発言です。現実的だと思いますが、ただ、色々と考えないと微妙な問題が派生します。(注:4/27=協調値上げと感じたホンダは「独禁法をどう考えるのか」と反発したとのよし)

 一方、朝日の「米国でトヨタ車の値上げ示唆 GM苦境で奥田経団連会長」は「奥田会長は『(値上げで)台数は減るかもしれないが1台当たりの利益は増え、プラスマイナスは特に変わらないのではないか』と述べたが、こうした値上げは恣意(しい)的に収益を犠牲にしたと批判されかねず、波紋を呼びそうだ」と結んでいます。正直なところ、この論調には賛成しません。何を利益と考えるか。自動車産業では、ただただ「進め、進め」と叫んで済んだ時期はもう終わっていると思います。

 【追補5/8】米自動車産業の支援はどこまで本物か [ブログ時評21]に続きます。
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by ydando | 2005-04-26 19:33 | 政治・経済
次世代DVD、色あせ始めて規格統一へ [ブログ時評19]
 次世代DVDとして別々に開発が進んでいる「ブルーレイ」と「HD DVD」の規格統一が出来そうとのニュースが流れた。両陣営を代表するソニーと東芝がお互いの長所を持ち寄って新しい規格を作る交渉をしている。家庭用VTRでベータとVHSに分かれて規格争いをした、過去の苦い経験を繰り返さないためにも消費者重視を歓迎する声が多い。しかし、現在のDVDも2層式の書き込みが出来るようになり8.5GBに増え容量不足は一息つけそうな状態。さらに200GBもある次々世代ディスクが名乗りをあげてしまい、次世代DVDの単層なら20~30GBと中途半端な容量は魅力を失いかけている。

 「次世代DVDねぇ・・・」(God's in his HEAVEN?)が現在の家庭ユーザーの不満を代表している。「サッカーにしても舞台にしても、2時間半あると丁度いいんだけど。次世代よりも、片面2層のディスクを売ってくれんか」と思い、自宅のDVDレコーダーの説明書を読んで「調べたら焼けなかった。というか、焼ける機種ってまだ発売されてない?」と気付く。既に1枚1000円余りで2層式の生メディアは売られている。値頃感が出るには半額程度に下がって欲しいが、DVDレコーダーの新機種にその機能が搭載されるのは間もなくだろう。

 「ほんとに求められてるの?」(地方声優の日常)も辛辣である。「昨今の廉価版やBOX攻勢で、各家庭でのDVDソフト資産もかなりのものになっているはず。それを顧みることなしにほとんど互換性のない新世代規格なんか出して、消費者がほいほい買い換えてくれると思う方が間違いでしょ」

 ユニバーサルデザイン(UD)に関心を寄せている「ALS そして、僕の生きる道。」の「これもある意味UD」は2月に発表された次世代光ディスク「ホログラフィック・バーサタイル・ディスク(Holographic Versatile Disc、HVD)」に注目している。「容量がブルーレイ:54GB、HD DVD:36GBに対し、 200GBと4倍以上あるのです。HVDが本格的に商品化される前に現行の規格を早く普及させ売らないと、今までの苦労が水の泡?になりかねない恐怖心の現われかもしれません」。HVDは2007~8年に製品化され、2010年には本格普及を目指しているのだから、成り行き次第では次世代DVDは短命に終わるかも知れない。

 今の時点で次世代DVDを渇望しているのは米国の映画産業らしい。米国の家庭にハイビジョンが映る高精細テレビが10%まで普及した。映画ソフトをハイビジョン版にして売り出すチャンスが訪れたと感じているようだ。フィルムに収められている画質は現在のDVDビデオでは表現できていない。AVマニアにはハイビジョン映画ソフトは確かに魅力的である。

 ところが、その差がわかるには高度な装置が要る。「次世代光ディスクの規格統一に関する新聞報道について 」(酒井俊之のシネマラ攻略大図鑑)は「いつか来る次世代DVD」より、今あるD-VHSデッキでハイビジョン録画しましょうと書いている。そのコメント欄で、かつどん氏は「今のDVD、画質がそこそこでも、良い再生機材使えば100インチぐらいだとHVとそんなに遜色ない」と主張している。

 ハイビジョン放送が映るテレビを持たない方でも、新しいパソコンがあればハイビジョン画質とDVD画質を見比べることが出来る。マイクロソフトが「WMV HD Content Showcase」にサンプルを並べている。ハイビジョン版とDVD版の2枚セット(リージョン制限あり)がamazon.co.jp経由なら国内でも買えるが、そこまでしなくてもハイビジョン版サンプルをダウンロードして見るだけでも感じが分かろう。確かにひと味違う、波頭の砕け方など印象的な高精細感だが、新しいDVDビデオを同様に見ると、映画を見る分にはかなり健闘していると思う。公式には2.4GHzのパソコンが必要とされるが、会社で使っているペンティアムMで1GHz、RAM512MB搭載のノートパソコンでも視聴可能。「Media Player Classic」という動作が軽いフリーソフトにも一役買ってもらっている。

 さて、自分なら映画鑑賞用に買うだろうか。良いテレビがまず必須だから買い替えてからの話になる。テレビ周辺にまた新しい機器を入れるのは困るかもしれない。今ある機器のどれかと置き換える形が良い。また、パソコン用になら、やはり200GBのHVDに惹かれてしまう。
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by ydando | 2005-04-24 18:53 | 科学技術
反日デモ:中国内サイトは続々閉鎖中
 反日デモの情報を流していた中国内のサイトが、中国当局の指示で続々、一時閉鎖になっているようです。見えていたサイトに行っても警告のような漢字が並んでいるだけです。第一次大戦中の1915年に中華民国に対して日本が「対華二十一箇条要求」を突きつけ、それがきっかけで生まれた排日運動「五四運動」の記念日5月4日を前に、中国政府は統制強化に躍起になっているのでしょう。効果のほどは全く判りません。何せ1億人がインターネットを使う国ですし、もしその気があれば国外のサーバーを使うことも可能なはずです。

 ウオッチする窓の代わりにと思って、日中翻訳掲示板「上海クイーン」も眺めています。多少は中国国内の感じが見えます。和解を訴える人もいるけれども、多くのスレッドは日中のやり合いになっています。それにしても機械翻訳がまずいですね。

 【追補4/21】デモの現地写真も見えなくなってきましたが、どこかのブログの紹介で「上海反日游行」があるのを知りました。デモの光景、上海総領事館や日本料理店の破壊など35枚がスライドショウになっています。米国にいる方がMSNに置いているものです。游行はデモ行進のことです。ピクニック気分です。

 【追補4/22】中国情報局は22日になって「公安局:反日デモ封じ込めへ、ネット情報を禁止」とのニュースを伝えています。「ネット、携帯メールを通じての関連情報の流布を禁止」とありますから、メールを大規模に盗み読みしていることを認めたも同然ですね。

 【追補4/26】上海デモでの破壊行為で逮捕者が出ると同時に、江蘇省の公安庁が反日デモをインターネットで呼びかけた元大学生を拘束しました。
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by ydando | 2005-04-20 19:36 | 世界
市民参加のジャーナリズムは既に存在
 ブログ上でこのところ大流行の「参加型ジャーナリズム」を唱えられている方たちが、何故か米国の方、ブログの方にしか向いていないことに、大きな違和感があります。ここは日本なのだと申し上げたい。早い話、固定読者が1000人以上のメールマガジンは「まぐまぐ」だけで4000誌、他の発行スタンドを含めれば私の推定で1万誌はあります。個人ニュースサイトだって多数があって、固定客をつかんでいます。立派に市民参加のジャーナリズムとして現実に存在しているのです。第150回「ネットと既成とジャーナリズム横断」に雑誌「世界」新年号座談会向けに用意した基調報告があるので読んでいただけば、この何年もの間に日本独自で進展してきたネットジャーナリズムが理解されると思います。

 既存メディアとブログを使った参加型ジャーナリズムの二つしか見ない議論を前にして、輸入学問のメッカだった東大出身者としても、「まさしく輸入学問の類だな」と思わざるを得ないところです。それから、どなたでしたか、「ブログで食べていける仕組みが要る」とかの議論を見ると、「メルマガはみんな手弁当で頑張ってきたよ」と言いたくなります。数万、十数万クラスのメルマガになると広告料で相当な収入を得る方もいますが、結果的に可能になっただけのことです。そんな仕組みを考えてからでなければ動けない、それを議論するのが先というジャーナリズムは、この何年もつきあってきたネットジャーナリズムの世界には無かったでしょう。

 ブログ開設数が1年で倍増する勢いを見ると、おそらくメルマガの作者たちも相当数がブログ開設に向かうと思えます。そこで何が起きるか。マスメディアとミニコミ、口コミの中間にある、メルマガのミディメディアとしてのパワーを生かし、最近、ここで唱えているブログ側の情報自己組織化と結合して行けないか。今後への問題意識は色々と発展できそうですし、未来の議論ではなく、実現する可能性があるのです。
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by ydando | 2005-04-17 18:58 | ジャーナリズム
日本の自動車産業は世界を幸せにしない [ブログ時評18]
 米国自動車産業の二強、ゼネラル・モーターズ(GM)とフォードが業績不振にあえいでいる。2005年1~3月期でトヨタ、日産が10%を超す販売台数増なのに二強は数%の販売減になり、GMは8億5000万ドルの大赤字転落が予想され、フォードも大幅減益という。北米や中国で攻勢に出ている日本の自動車産業は2005年に海外生産が1000万台に達して、国内生産と肩を並べそうだ。国内と海外が半々になっても国内の自動車産業では目立った空洞化現象は起きていない。驚くべき強さではあるが、その強さが日本の社会、ひいては世界を幸せにしない予感が高まるのはどうしたことか。

 昨年来の原油高騰により、湯水のように使っていた米国でもガソリン代は無視できなくなった。ガソリンをがぶ飲みするピックアップトラックは日本勢が最近まで米ビッグスリーに遠慮していた分野であり、ここを牙城に稼いでいた二強がつまづいた。表面的にこう説明できても、真の原因は違う。トヨタを始めとした日本勢に対し新車開発や品質面の競争力を失っていた。ガソリン代上昇は引き金に過ぎず、遅かれ早かれ起きる事態だった。

 1999年に国内2番手だった日産が経営危機に陥ってフランス・ルノーの傘下に入り、他社も退潮傾向になった。第68回「日本の自動車産業が開いた禁断」を書いて、ジャスト・イン・タイムなどを組み合わせ、極力、無駄を省いたリーン生産方式に頼っているだけでは、日本勢の優位を保てなくなったと指摘した。実際にビッグスリーはリーン生産方式を自分のものにしつつあった。「日本車の優位は失われた」と思ったのだが、実情は中途半端な追い上げに終わったようである。

 明治大の黒田兼一さんによる現地報告「GM、UAW、そしてランシング---工場リストラ現場を訪ねた」は、リーン生産方式導入を巡って各工場ごとに経営陣とUAW労組がぶつかり、日本のように一律でない、ばらばらな労働形態が生まれたことを伝えている。「構内に入った途端、Kanbanカンバン、Kaizenカイゼン、Pokayokeポカヨケ、Seiri-Seiton-Seiketsuセイリ・セイトン・セイケツ、Andonアンドン、こういう文字が飛び込んでくる。『ここはGMではない。トヨタの元町工場だ!』と錯覚を覚える」。こんな工場が存在する一方、「チームで協力すること、いろいろな仕事ができるようになること、チームの会合に出席すること、このような意味での『チーム・コンセプトを受容することと引き替えに大幅賃上げを勝ち取ったのさ』」と組合側が割り切っている工場もある。これで形だけQCサークルが出来たとしても日本のそれとは異質なものだろう。

 1999年に指摘した問題はリーン生産方式だけではない。デザイン力だって開発力だって欧米メーカーが本気になったら心配があった。しかし、内外情勢調査会での張富士夫・トヨタ社長の講演「グローバル時代のトヨタの経営戦略」を読めば、これも本気で心配したのは日本車の側だったと知れる。

 「グローバル化の中で戦略にも通じる一番大切なことは、現地化ではないかと思います」「カムリはアメリカから販売の親方が日本に来て、フェンダーをもっと膨らませろと言った通りに変えたんです。大変よく売れました。アメリカ人に聞くと『マッチョだ』と言う。カムリの『フェンダーを、ムキムキってしたのがいいんだ』と。絶対に日本では分からないと思ったものです」「今ではヨーロッパ、アメリカ、東京、豊田それぞれの地域からデザイン案を出し、コンペをすることで決めています」

 努力は確実に実を結んでいる。米国の消費者情報誌コンシューマー・リポーツが3月初めに発表した自動車総合ランキングで、10部門中の9部門まで日本車がトップを占めた。ホンダが家庭向けセダンなど4部門、トヨタが高級セダンなど3部門、富士重工が小型SUVなど2部門を獲得した。

 翻って米国側に何があったか。「王者GMの落日」(元経済誌記者の雑言)はこうまとめている。「GMは、スケールメリットを生かしたコストダウンを実践するためのパートナーを欲した」「切磋琢磨してお互いに高めていこうという思想を持たなかった。共同開発車に目立った成果が見られないことが、その証左といえるだろう」。部品の購買についても「部品メーカーを巻き込んだ銭単位の原価低減に永続的に取り組むトヨタと、グループでの共同購買に寄りかかり『数』の力で部品メーカーに強引な値引きを迫るGMとでは、どちらが企業体質の強化につながるかは明らかである」

 そして、強い強いと手放しで喜んでいられない日本社会がある。

 「3期連続の増収増益、日本企業として初めて1兆円を超える連結純利益を挙げたトヨタだが、そのトヨタ労組がベア要求の見送りをしたという、ついこの間のニュースは、サラリーマンにはショックだった。『業績向上でも給料は上がらないシステムが定着した』と嘆く向きもある」と、「成果主義とベア」(実年社労士の人事・時事雑感日記)は書いている。

 その代償にトヨタの一時金(ボーナス)は組合員平均244万円の満額回答だったが、好業績の従業員、社会への還元が十分か、疑問が大きい。トヨタに習って自動車社大手が高い一時金で春闘を妥結させる結果、稼ぎ頭の産業がベアをしないのだから他の産業はベアが出来なくなった。一時金増額という形態も消費に回るより貯蓄に向かってしまい、国内で有効な内需を生み出して早く景気回復を本格化したい数年来の経済課題に反している。米国なら増えたボーナスは派手に使われるかもしれないが、国内では住宅ローンの返済原資になるなど生活給の面が大きく「業績次第でいつでも下げますよ」と言っている一時金がこの程度の増額では使えない。言い換えると、自動車産業の強さが従業員にも、日本の社会にも安心感を与えていないのだ。

 従業員健康保険や年金の負担が日欧メーカーの2倍以上もあって、GMの競争力を奪う高コストの原因になっている。つまり過去の従業員を含めて膨大な人々がGMという大樹に頼っている。今回の業績悪化でGMと金融部門の無担保債務2000億ドルが投資適格最低、ジャンク債寸前のランクに落ちる。返済期限が迫っている債務が少ないのが幸いしているものの、もし本当の危機が来た時の米国社会への影響は想像が出来ない。

 歴史を考えると、自動車はある程度、豊かな利潤を前提に栄える産業のように思える。国内に乗用車メーカーだけで8社もあって競争が激しく、薄利体質の日本自動車産業。それが世界を席巻してリーン生産方式で各国各地固有の労働文化を崩壊させてきた。現地生産が進んで、もう貿易摩擦と受け取られることはなくなったと自動車業界が考えているとしたら、もう一歩進めて、自分も相手も豊かになるべき時期に至ったのだと考え直して欲しい。


 【追補4/26】「奥田会長が米自動車業界支援を表明」を参照してください。

 【追補5/8】米自動車産業の支援はどこまで本物か [ブログ時評21]に続きます。

 【まとめて英訳版も公開】このエントリーと一連の経過をまとめて、親サイト「インターネットで読み解く!」上に改訂版「日本の自動車産業は世界を幸せにしない」を掲載。これをテキストに英訳版「The Japanese Automobile Industry Does Not Bring the World Happiness 」として公開しました。
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by ydando | 2005-04-13 00:41 | 政治・経済
岩波書店『世界』に2編、4ブログの声
 岩波書店の論壇誌『世界』5月号(4月8日発売、175ページからの「ネット言論はいま」)に、ブログ時評から2編を抜粋して掲載しました。「BSEはメディアリテラシー力を問う [ブログ時評15]」と「輝きが無いソニー改革人事の違和感 [ブログ時評14]」とです。

 縦書き主流の評論雑誌には珍しい、横書き見開き2ページの限られた紙面なので、『世界』編集部に取捨、編集は任せています。今回は、前者で「翻訳者魂」「BSE&食と感染症 つぶやきブログ」、後者で「大いなる夢」「プログレッシブロックな非線形衝動」、以上4ブログの声を紙のメディアの世界へ発信することが出来ました。

 それぞれにマスメディアでは見えにくかった情報ですし、ちょっと圧縮したものの、2編のコラムがメディア報道の海の中でも独自の存在を主張できると思っています。掲載は4月号に続き2度目。これからも続きます。
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by ydando | 2005-04-10 18:57 | ネット
ウェブログ図書館も情報組織化のひとつ
 「ブログの自律的な情報組織化が欲しい」を書いた際に落としていたのが、ウェブログ図書館です。次のエントリーを準備しようとして思い出しました。

 どれくらいの件数が蓄積されているのか。今年になって始まったので、実はまだそれほど多数ではないでしょう。ジャーナリズムとかの項目はずらりと並んでいるが、貧弱な、つまり該当なしの項目も多いのです。使い方はまず「第2次区分」から開いて、さらに第3次区分へと進めていくのが良いでしょう。

 皆さんも何かを探そうと心に思い描いてから、入ってみてください。どうでしょうか。何か、ありましたか?

 私は自動車産業関連を探したのですが、全くだめでした。一つの記事は一つの項目に配置されているので、思い切って複数項目に重複して並べるほうが探している人には親切かな、とも思いました。あるレベル以上の記事を集める方針で、少数の方の人力で進められている仕事です。協力する電子司書の募集もされています。
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by ydando | 2005-04-08 00:56 | ネット
実名記者ブログと素人の踏切事故追究 [ブログ時評17]
 メディアに関わっていると目され、実名でブログを持つ方がここ1、2ヶ月の間に続出している。雑誌が主な舞台らしい方で複数人でブログを持つ例もあり、私が見た名前の数だけで20を超える。公開登録する場所も無いから、実際はもっと多数なのかもしれない。もちろん、この他にも多くの方がジャーナリストであることは明かしながら匿名で開設している。この背景には、ブログ全体が現在の100万件から1年後には200万件にも膨張しようとしている流れがある。

 本業との関係では試行錯誤、あるいは暗中模索状態にあると感じる。雑誌がもし編集部公認でブログを出せるなら、アンテナショップを出す感覚で大胆にネット上の反応を見るといった試みがあってもよいが、コンテンツを持ち出すのに迷いがある。新聞社ではさらに、そうした感覚は難しい。神奈川新聞のように本体でブログを持つならそこで何でも書けるが、私の会社なら「楽屋裏」の話を社外で書くことに問題がある。私自身について言えば、社名を用いないことで社外活動の自由を得ているから、会社についての質問に答えること自体が約束違反になるだろう。社名を出さない実名の方たちにも同様の見えない制約があるのではないか。仕事がある以上、ブログ用だけの取材も区別が難しい。実名記者ブログが増えても出来ることの範囲は限られるかも知れない。

 これに対して最近、素人側から「マスコミ報道をしのぐ仕事をした」と、意気盛んなのが東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切事故の実態究明だ。踏切保安員が手動で遮断機を上げて死者2人を出し半月を経過した。Googleで検索すれば並んでいるのはブログの記事ばかりである。

 事故の翌日に、報道記事以外にブログ発信情報をまとめて書いた「大いなる夢:ヒューマンエラー 竹の塚踏切事故を考える」がコメント欄の含めて一種のセンターの役割を果たしているよう。もちろん、多数の方が色々な観点で書いているし、同じ翌日付で「内容の濃いもの」11編を収集している「ブログにコメントGood! or Bad!竹ノ塚踏切事故」など記録の仕事も効いているはずだ。

 ここでは事故3日後に書かれた「【竹ノ塚の踏切事故】踏切のおじさんを信頼して、感謝していた私が思うこと。」を取り上げたい。

 「あの踏切の職人芸にいつも助けられていた。そういう竹ノ塚人も、実際多いと思うのね。私もそうだし。電車の通過時間の隙間、たった十数秒を的確に読んだ一瞬の踏切開放」「ずっと高架か地下に交通路を確保するべきだという声があった。でも、地元の商店街の反対や、ちょっと前まで東武鉄道の整備工場&大車庫が近くにあったこともあって、高架も地下化も事実上不可能だった踏切です」「あの人だけでなく、駅長さんまで含めた竹ノ塚駅全体の問題も超えて、大きく駅前再開発とか都市計画まで含めた様々なしがらみのなかで、起こってしまった事故だと考えます」

 引用の順序は入れ替えているものの、これだけで何があったのか、ほぼ見えてしまう。現場の日常を知る素人の強さであり、ブログで発信する意味の大きさを誰もが納得しよう。

 こうした素人側の可能性は日常を素材にするものに限られるわけではない。自分からルポライターとして取材に乗り出しているブログがある。普通のOLを辞めて始めた「Grip Blog私が見た事実」である。毎週、未知のテーマを設定して毎日、対象に直接、会い、取材データを掲載し、週末にまとめをする驚くほどエネルギッシュな取材。旬のルポデータを素材として提供するという点だけでも発信の意味はあるのだろうが、対象の全体像をどう描くかに悩まれているように見受ける。残念なことに体調を崩して一時休止になっている。

 「ネットジャ-ナリズムの行方」をテーマに面会を頼まれたが、新幹線ではるばる来てもらって短時間しか時間が割けないのでは申し訳ないので断ったことがある。取材費用や生活はどうするのか心配ではあるが、自分の足で取材する人がもっと出てこないか、ネットを歩きながら見回しているところだ。

 【追補】 英語サイトで「実名記者ブログと素人の踏切事故追究 [ブログ時評17]」の英訳版"Level Crossing Accident Investigation - Real Name Journalist's Blog & Amateur Blogs"を公開しました。"Japanese Blog Review"シリーズの4回目です。
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by ydando | 2005-04-03 19:38 | ジャーナリズム
暴走PJダンプ撃退を機に見直し
 最近、悪戯が過ぎるなと思う方、数人をエキサイトブログの機能で立ち入り禁止にしていましたが、失礼とか無礼とかの通念を通り越した暴走PJダンプが現れてみると、可愛いものだったと考え直しました。普通の状態に戻しますので、当たり前のマナーを守ってお付き合い願います。

 この機会に、はっきり申し上げておきますが、私は匿名の方を相手に泥の投げ合いはしません。どっちに転んでも最後に残るのは泥の山と私の名前だけだというのでは、やっていられないからです。今回のように「名誉毀損だ」と実名で叫ぶならお相手しますが、こんなことも久しく無かったことです。

 このブログを始めたころ「メールマガジンとか長くやってきたからと先輩顔するな、掲示板やブログがネットの本筋だ」といった趣旨の反発があちこちにありました。私が最初にネットに関係したのは1988年で、当時は新聞社の仕事として国内メディア初のパソコン通信を運営しました。UNIXマシンのシェルをそのまま使う急ごしらえでしたから、IDは私が「dando」を選択し、読者はすべて「reader」でした。担当したのが「原子力発電ボード」です。他の記者はあまり入ってきませんでしたから、自分以外は匿名の読者多数と長期間、当時から多くの問題を抱えた原発を話し合うことになりました。聞くべきことは聞くし、言うべきことは言う、妙なおもねりはしない――私のネットスタイルはそこから生まれているので、「居丈高」とかいうのは外れです。

 職業的ジャーナリストとして「教導しようとしている」という見方も外れでしょう。「原子力発電ボード」でしていたように適切な材料や見方を提供しようとはしていますが、ネットの世界がどのように変わっていくかは、作用反作用、輪廻の果てにあり、見通せるものではありません。ただ、お騒がせするのが新聞記者の仕事であるとは昔から思っており、私にしか出来ない話題提供があるのも明らかにでしょう。
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by ydando | 2005-04-02 20:13 | ネット