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by ydando
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カテゴリ:資源・環境・災害( 14 )
原油高騰で連想する紙資源の枯渇(追補)
 1バレル60ドルと途方もない値段がついてしまいましたね。少し前までは30ドルを超えるかどうかが、新エネルギーの開発に力が入る境目になっていたものです。その2倍とは、ほとんど絶句するばかりです。背景にあるのが中国経済の高成長持続であり、投機的思惑が多分にあるとは言え、まるっきりの「空相場」ではないのです。それで連想したのが、紙資源の枯渇です。

 もう8年も前に[インターネットで読み解く!]シリーズで第4回「紙資源・千倍の落差」を書きました。途上国と先進国での紙消費が一人あたりで1000倍も違い、年間200kgクラスの日本に比べて最貧の赤道アフリカ諸国は200gクラスなのです。200グラムは40ページある厚い新聞1部にしかなりません。その上のクラス、バングラディシュが2キロとかで、このあたりは現在でもそんなに変わっていないでしょう。

 1995年データでは中国が20キロの大台に入ったところでした。ところが、最近見た2003年データでは、中国が35.8キロにもなっているのです。8年で16キロも増やしている訳で、人口が10倍あることを考えると、10年で日本一国の消費量が新たに生まれる勢いです。これがもっともっと加速して、日本並みはともかく、100キロの大台には近い将来、届くでしょう。

 95年には3キロだったインドの経済発展も立ち上がっていますから、やがて20キロクラスにならなくては、おかしいでしょう。ここも巨大人口の国です。紙は途上国でも経済発展にも、教育にも、民主主義を育てるためにも欠かせないものです。今後、中国を中心にした紙消費の増大で、資源の早期枯渇に向かう可能性が高いと思われます。私も久しぶりに勉強してみますし、この方面でデータをお持ちの方があればお教え下さい。

 【追補6/29】コメントされている中国のトイレットペーパーについて、面白い現地報告がありました。中国旅行記(7)トイレット・ペーパーです。本当に小型で腕時計と比べられる程度に出来ていて、つつましく、節約モードで使っているようです。
 なお、Wikipediaによると、トイレットペーパーは14世紀に中国で皇帝用に作られたものが世界最初とのことです。
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by ydando | 2005-06-28 17:57 | 資源・環境・災害
原発:電力会社と国の常識外れ [ブログ時評16]
 昨年夏に死傷者11人を出した美浜原発事故の責任問題で、関西電力は藤社長の降格を打ち出した。しかし、秋山会長は1年間そのまま職に留まり、来年6月に辞任する際に今回降格する藤社長が後継会長になる可能性が取りざたされている。一方、原発震災で注目されている浜岡原発訴訟で静岡地裁は、原告が求めている原子炉格納容器の耐震性計算書などのほぼ全面的な開示を命じた。これまでのように企業秘密を理由に数値などを伏せることを許さず「社会共通の要請」とした。いずれも原発の世界が依然として世間常識から外れていることを示す好例である。

 「美浜原発事故最終報告書案が提出される」(技術者の目)は関電の過失を「配管の配置が変更されても図面に反映せず保守管理業務発注者の義務を怠る」「配管の寿命が1年未満と判明しても技術基準を独自解釈して補修を怠る」、三菱重工の過失を「配管の点検箇所の登録を社員一人に膨大な作業を任せ登録ミスを誘発させた」「配管の点検箇所の登録漏れを気付いたのに関西電力に報告を怠る」とまとめている。類似事故を防ぐために第三者のチェック機関を設けてとの提案をしているのは、実質、国に対する不信任だ。

 「原子力安全・保安院はこれで良いのか??」(年寄りの冷や水)が言う指摘が妥当だろう。「原子力安全・保安院は、国民のために、このような国、企業を含めた全体の安全・保安体制について考える組織ではなかろうか」「国の決めた基準を企業が守っていないから、国の責任は何もなしとして企業の責任だけを追及するだけでは不満足である。何故このような現象が発生しているのかまで追及すべきである」。国には責任はないと口をぬぐう姿勢に不信は高まっているのだ。

 浜岡原発訴訟で原告側にいるらしい「薔薇、または陽だまりの猫」の「地震と原発/静岡地裁が中電に『文書全面開示』を命令」は裁判所への信頼を書いている。「データ開示により、東海地震に対する原子炉建屋・周辺機器などの耐震強度について、第3者専門家による検証が可能になったことに、絶大な評価をしていると同時に、裁判所の原発の安全性に関する認識が私たちの主張してきたものに等しいと言え、とても心強く感じています」。中部電力は抵抗するかも知れないが、電力会社任せでない検証ができ、初めて議論らしい議論が可能になる。浜岡原発は耐震強化策が取られると発表されているが、それで足りるのかも検証が要る。東海地震の緊急性を考えれば急ぐ。

 東京電力の原発見学ツアーで何が行われているのか。原発内部が見たくて参加しレポートしている方がいる。「柏崎刈羽原子力発電所の見学」(T家の日記)はこう。「実際行ってみるとテロ対策とかで原発の内部には入れず、サファリパークのようにバスで原発の建物の周りぐるぐる回って」「正直あまり面白くなかったんですが、ここで特筆したいのは、参加費8,000円にしては食事・ホテルが豪華であるということです」「今回参加者のほとんどは2回目、3回目・・というのには驚きでした」。豪華な部屋、食事の連続に、お土産はカニ1箱。実態を市民の目で記録しておく価値はある。

 原発をめぐる論議は難しくて、若い世代には「ださい」と敬遠される傾向がある。原発を巡る住民運動の高齢化が進んでいるが、身近なところで見えるものをウオッチすることに熱心な人がネット上で増えれば、また新たな展開が可能になろう。

 ◎5/18 英訳版"Nuclear Power: How Electricity companies and the administration stray from common sense."...Japanese Blog Review 2を公開しました。
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by ydando | 2005-03-27 21:15 | 資源・環境・災害
被害大き過ぎ実感できぬ首都直下地震 [ブログ時評12]
 経済損失112兆円、避難者700万人――政府・中央防災会議の「首都直下地震対策専門調査会」がまとめた被害想定の数字は、あまりに大き過ぎる。東京都などが単独でまとめていた想定を、関係都県の全体像で見たらこれほど大変だと分かっても、何から手を付けてよいのか、考えあぐねる規模である。ネット上の反応も実感を伴っていない感じがする。

 例えば、発表された資料「被害想定結果について」の中にある避難者の数だけ最近の大地震と比較してみても、阪神大震災で最大31万人、新潟中部地震で10万人のオーダーだった。いずれも被災後数日は、この人たちにわずかな食事しか届けられず、どれほど苦しんだことか。発生翌日に出る避難者700万人の内、東京の200万人をトップに計460万人が避難所生活を送る想定になっている。都が備蓄している食料はアルファ米119万食、カップ麺100万食とかだそうだ。最大で650万人出ると考えられる、職場や学校からの帰宅困難者も含めて、食事を他人に頼るのは最初は無理だと諦め、何らかの緊急食をいつも自分の身近に置くしかなかろう。

 『ブログで ひとこと 言わせてちょ~だい』の「●東京に地震が起きたら・・・」は「200万人以上が1ヶ月たっても避難所暮らし!? 地震の直接の被害よりも、その後の被害、いわゆる『震災』がすごいんだね」と指摘している。でも、ちょっと踏み込んで考えてみて欲しい。200万人以上に1カ月以上も食事を供給する――誰が、どうやってするのか。阪神大震災の30万人には、隣の日本第二の都市・大阪などが無傷で支援できた。関東平野の中心部が広範囲に被災して、水やガス、電気などライフラインが復旧しない時点で、200万人以上に周辺都市の支援が届くのか。たった10万人の支援に無傷の県都・新潟が四苦八苦したのを、この間、目にしたばかりではないのか。お忘れだろうか。

 最大で1万3000人という死者数推定に疑問を投げる声もある。「エントロピーは増大し続ける・・・」の「東京の下で3つのプレートが・・・」は「この死者の数ですが・・・、火災旋風の発生は計算に入ってないのじゃないでしょうか」「同時多発的に火災が発生した場合に、火災で発生した大量の熱気が上昇し、冷気と混じり合って炎の竜巻を発生させる現象です」と死者がもっと増えると考えている。阪神大震災の時は幸いにも微風状態であり、さらにラッキーなことに未明で交通量が非常に少なかった。地震時に道路を車が埋めていて、車両火災で延焼が広がるようなら大変である。道路については今回の想定は地震による運転操作のミスで死者が出るところで止まっている。

 新幹線の脱線を想定しながら、死者はその車両だけと考え、追突のことは考えないなどの矛盾はマスコミ報道にも出ていた。細いベルト帯が被災した阪神大震災に比べて、首都直下地震は面として被害が広がるのに犠牲者数が2倍にしかならないというのがそもそもおかしい。経済損失だけは国家予算の1.4倍と巨額なのに、人的被害はあまり刺激的にしたくない政治的配慮もありそうだ。

 「blog.CreCom.Org」の「東京直下地震、被害は最悪112兆円」のように「『完璧な地震の備え』とまではいかないまでも『心構え』と『準備』だけはしておきたいものですね」と市民が反応してくれるのが狙いだろう。しかし、「風信子石」の「結局何が言いたいのかわからない<首都直下地震被害想定>」との声も出ていることを付け加えておこう。。

 このような想定が出るのであれば「近年、都心の分譲マンションが人気で住み替えられる方も多いようですが、その方々は居住地リスクをどの程度まで考慮されての移住だったのでしょうか?」と訴えているのが「田舎暮らしの学校」の「田舎の存在価値とは」である。「暮らし・生活・生命を不測の事態から守るために、生活の拠点を分散させて確保しておく。華僑の方にとってはあたりまえの考え方のようですが、島国に育ち国際交流経験の少ない日本人にはあまり浸透していない考え方でしょう」とリスク分散を暮らしの根本に取り入れるべきだとする。

 首都移転論もいつの間にか忘れられ、便利だというだけで東京集中が進む昨今である。460万人を避難所に収容して日々3度の食事を供給するなど、極度に非現実的であることに気付けば、食料備蓄を増やすなど小手先の対策だけに目を向けて良い訳が無かろう。
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by ydando | 2005-02-27 19:45 | 資源・環境・災害
京都議定書、本当の問題点を言おう [ブログ時評11]
 地球温暖化に対する初めての国際的な枠組み「京都議定書」が発効した。ネット上で真剣に議論されているのは結構なことなのだが、3年前、日本批准の際に、第119回「京都議定書を批准しても対策は幻を書いて警鐘を鳴らした立場からすると、厄介な場面に立ち会ったと思ってしまう。身の回りの省エネ、省資源からと意気込んでいらっしゃる方には水を差すかもしれない。まず、ニューヨークタイムズが掲示しているKYOTOグラフを見て欲しい。

 グラフの主題は各国別の温暖化ガス排出量(2002年あるいは2000年段階)である。1990年のレベルも添えられていて、先進国側にだけ、これに対して数%の国別削減目標がある。先進国、途上国を色分けした批准国地図も添えてある。排出が多い順位に米、中、ロ、印、日、独、ブラジル、加、英、伊が10カ国。「この10カ国の中で温暖化ガス排出削減に血の滲む努力をしなければならないのは日本だけ」と言われたら、京都議定書に対する見方が一変してしまうのではないか。

 順番に見ていこう。世界排出の4分の1を占め、90年より大きく増やしている米国は批准するつもりがない。同じく90年レベルを大きく上回っている中、印、ブラジルは途上国で削減義務はない。ロシアは経済停滞で排出は減っている。ドイツは東独併合で旧式設備で大量排出していた東の枠を取り込めた。英国は二酸化炭素を大量に排出する古い石炭火力から北海天然ガスに転換、90年レベル以下の排出でしかない。イタリアを含めてEU全体として計算することにもなっていて、東欧諸国の参加で枠にはさらに余裕が生まれている。日本以外では唯一、カナダだけが苦しい立場だが、グラフの右に国民1人当りの排出量が表示されていて、米国並に多く、日本の2倍以上もある。

 雑巾にどんどん水を吸わせている国と、濡れ雑巾をちょっと絞ればよい国の間に、過去から省エネ・環境対策で雑巾を絞り切ってきた日本がいる。

 歴史を振り返れば明治政府が最初に結んでいた不平等条約か、それ以上に可笑しな立場に立っている。あの時代なら白刃を抜いて壮士が政府高官に斬り込みにも行きそうなほどだ。ほとんど国辱ものの現状について、マスメディアははっきり伝えないし、オルタナティブであるネット上の言論にも認識が乏しい。中でも「日本人に温暖化なんて関係ない」「どうでもいいよ、自然が一番」と笑っている人を脅してみよう。

 政府による、新しい温暖化ガス排出削減計画がようやく明らかになった。

  部門 03年度/90年比 現目標  新目標
  産業    -0.02%    -7%   -8.6%
  運輸    19.5%     17%   15.1%
  民生    32.9%     -2%   10.8%
  排出権等  ----      ----   -1.6%

 32.9%も増えてしまった家庭やオフィスなどの民生部門では、さすがに純減は諦めたものの、現在から2割も減らす無謀な計画になっている。排出権取引などによる分が「-1.6%」と付け加えられたが、「京都議定書を批准しても対策は幻」で描いたように、国際的な排出権買い取りしか行き着く先はない。どれくらいの規模でどこに払うのか。

 「市民のための環境学ガイド」の「ロシア京都議定書批准確定」は「色々と仕掛けをつかっても、1.3億トンは最低でも削減しないと」「それを排出量取引なる金で解決するとして、1トン1000円とすると、1300億円」とはじいている。それも、あの北方四島返還を二島に値切ろうとしているロシアに払い続けることになるはずだ。もちろん新財源、税収が要る。

 経済産業研究所の「外交問題としての京都議定書」には世界の排出量見通しがあり、途上国の経済発展に伴い2010年から2020年には22%も増える。削減の枠組み内にいる日欧加の分は2010年には32%あるが、2020年には29%に下がる。

 はっきり言って、このままでは日本の努力は壮大な無駄になる。「環境問題、パソコン環境の整備と日々の雑感」の「京都議定書の発効とその取組み」がいろんなブログの議論を「とりあえず行動しよう、行動するという気持ちが大事」とまとめている。身近なところから、ささやかでも努力しようとする人たちに「その行動は正当ですよ」と言ってあげるには、今の努力が将来に結実する道筋を示さねばならない。努力を強いる国がするしかないことであり、まず日本が置かれている悲惨で特異な立場を国民に率直に説明すべきだ。

  ※関係の親サイト分野別入り口・・・《環境・資源》
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by ydando | 2005-02-20 18:33 | 資源・環境・災害