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by ydando
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カテゴリ:ジャーナリズム( 41 )
『残業代ゼロ労働』と名付けられて失速
 政府は一定条件の会社員について、労働時間規制から外して残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入の法案提出を見送る事になりました。この難しい術語を、世間で『残業代ゼロ労働』と言われるようになったのが敗因と、政府・与党関係者は嘆いているようです。「デメリットばかりではない。メリットもあったのに」だそうです。私にはカタカナ語で煙に巻くつもりに見えていました。

 では、いつのころからか『残業代ゼロ労働』が使われるようになったのか、調べることが出来ます。「technorati.jp」で「残業代ゼロ労働」を入力すると、「268件のブログ記事」が現れ、左側に発生頻度グラフが出ます。このグラフをクリックするとさらに90日以前まで表示されます。12月初めに数件が現れ、10日すぎに急増したことが分かります。何があったのでしょう。「Googleブログ検索」ならば日付を設定して探すことが出来るので、興味がある方は試みて下さい。

 ブログで過去を検証することが出来るようになりました。
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by ydando | 2007-01-19 14:46 | ジャーナリズム
毎日新聞がオーマイニュースと同じでは
 元旦1面から打ち出した「ネット君臨」を読んで「筋の悪さ」に驚き、呆れてしまいました。前年の労働「新底辺」モノとは大違いです。冒頭で取り上げられた「死ぬ死ぬ詐欺」は「被害者」からの聞き取りだけで検証の姿勢がありません。毎日新聞がオーマイニュースと同じ、思いこみレベルの記事を書いていることになります。プロが取材班まで作って、朝刊1面から3面まで潰して展開するのですから、有無を言わせぬ「事実」で構成して欲しかったと思います。

 「死ぬ死ぬ詐欺」の件については、2ちゃんねらーが掲示板で騒いでいますが、そこまで見に行かなくても上のリンク「まいまいクラブ」のページにはコメント欄があり、反論が山のように来ています。取材された「がんだるふ」氏名の抗議もあります。取材班側から本格的な反論・回答はまだのようです。

 思い出せば、毎日新聞がオーマイニュース開設直前に「嫌韓流」で攻撃されているという趣旨の記事を書いた際にも、私には違和感がありました。いきなり取材に来るとそう見えるのかも知れませんが、冷静にウオッチしている側から見れば、読者の問いかけに答えようともしない編集部の「傲慢さ」が大きな原因になっていたのです。認識のずれは大きいままです。

 ブログでも色々な声が出ていますが、毎日新聞へ好意的なものは少な目に見えます。例えば、いつも穏当な議論をしている「あざらしサラダ」さんが「▼ネット君臨ねえ」で「記事の大部分はありきたりな2ch批判の枠内に留まっており、インタビューで答えていた『がんだるふ』氏や『ひろゆき』氏とは考えが異なる私が読んでも、自分たちがこれまで握ってきた情報コントロールが失われつつあるマスコミの危機感しか伝わってこなかった」と指摘しているのは当然でしょう。

【関連】大型市民記者メディアは無理と決した [ブログ時評65]
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by ydando | 2007-01-02 17:11 | ジャーナリズム
ブログを扱う紙媒体の論壇コラムは
 総合誌の新年号が出揃いました。時間があるとめくっていて、はたと気付きました。中央公論から「ブログ・ハンティング」が消えてしまいました。10月11日付け読売新聞の「ブログ、大きな影響力」で「いまや、紙媒体を中心とした論壇は、ブログを無視できない状況にある。『世界』は総合雑誌としては初めて、2005年4月号に『ブログ時評』を開始。『中央公論』も同10月から『ブログ・ハンティング』を連載している」と書かれたのに、ちょっと残念です。

 一方、今年4月から、朝日新聞文化面に毎月1回、稲葉振一郎さんの「ブログ解読」が連載されています。私のところと同様なタイプで「ネット言論」にフォーカスしています。11月は「『炎上』という名の暴力」、12月は「『半閉鎖』の中の無防備」といった具合です。論じられる中身が何か、想像するのは簡単ですね。

 当方の「ブログ時評」は、しばらくはこのままでしょうか。『世界』1月号には世界規模での漁業崩壊が見えてきた [ブログ時評69]から転載しました。最近、事情があってインタラクティブな部分を抑えていますが、仕事との整合を付けているところです。来春には状況が変えられるようにしたいものです。
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by ydando | 2006-12-15 14:45 | ジャーナリズム
オーマイニュース本家も赤字に
 ビジネスウィーク誌の方がこの間、コンタクトを求めていらしたと思ったら、OhmyNews' Oh My Biz Problemがbusinessweek.comに掲載されていました。オーマイニュース日本版がインパクトを生まなかったばかりでなく、本家も赤字の危機に瀕していると伝えています。

 一時の隆盛も韓国独特の現象であり、政治運動として成功しただけで、事業活動として成功したのではない――というあたりも納得です。ブログがまだ盛んでなかったから存在しえたのであり、将来的に魅力を失っていくとも。

 実はオーマイニュース本家のアクセス量が大きく落ち込んでいて、日本版とも大差がなくなっているのです。かなり前から気付いて、最近、社内外で話す機会があるたびに指摘してきたところです。グラフで示しましょう。例によってアクセスの実数が分かる「アキバBlog(秋葉原ブログ)」(最近は月間330万くらい)と比べます。期間をもっと長く取ってもらうと長期的な激減ぶりが分かります。

【関連】大型市民記者メディアは無理と決した [ブログ時評65]
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by ydando | 2006-11-06 16:04 | ジャーナリズム
「男性の3分の1、生涯独身か」英語版リリース
 第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」と、これに続く「非モテ」意識と親同居独身者の増加 [ブログ時評60]とを編集した英語版を、親サイトで公開しました。"There is a possibility that one third of males in their 20s will be unmarried throughout their lifetime."です。英語版のコラムもこれで18本目になりました。

 また、岩波『世界』への転載は、発売された11月号ではオーマイニュースの可能性ほぼ消滅か [ブログ時評63]など一連のオーマイ関係を編集しました。現状はオーマイニュースの客足はますます遠のき、2ちゃんねらー達のウオッチ活動も寂しくなっています。オーマイが成功するのなら、既存メディアに及ぼす影響は大きいとみていたので、ある意味で非常に残念です。そして、鳥越編集長ら編集部が事前の十分な研究と準備を怠っていたことは、日本の職業ジャーナリストの「傲慢」「不遜」が意図しないところで現れたものだと思っています。
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by ydando | 2006-10-13 18:28 | ジャーナリズム
大型市民記者メディアは無理と決した [ブログ時評65]
 開設1週間で「オーマイニュースの可能性ほぼ消滅か」と見放したが、ほぼ1ヶ月を経て、オーマイニュース日本版はアクセスが激減し、商業ベースから完全に脱落してしまった。「alexa.com」で「アキバBlog(秋葉原ブログ)」とアクセス人員を比較したグラフを見れば、1日平均10万人を大きく割り込むと知れる。「ReadMe! JAPAN」の週間ランキングによればアキバBlogが1日平均10万人である。ページビューに直すと多少増えても、個人ニュースサイト程度では話にならない。

 折しも、オーマイニュース非常勤編集委員・佐々木俊尚氏が22日付「記事の質、最終的には『説得力』」で「オーマイニュースの市民記者の記事には、その論理的組み立てが欠如しているケースが多いように思う。たとえばありがちなパターンとして、何でもかんでも小泉批判に結びつけて、『小泉改革がこういう社会を生み出したのだ』と書く人が案外に多い」と本文に書き、コメント欄(20)で「現状、オーマイニュースが2ちゃんねるにもブログにも劣っているのは、その通りだとおもいます」と告白している。コメント欄をほぼ占拠し、批判し続けている2ちゃんねらー達に理があると認めたようなもの。その2ちゃんねらーも去りつつある。

 韓国でオーマイニュースを興したオ・ヨンホ代表は2003年の「オーマイニュース オ代表が同志社大学で講演 韓国オルタナティブ・メディアの現在」で成功の原因をいくつか挙げ「最後に最も重要な原因は、市民の準備が十分に整っていたことです。『ネチズン』と呼ばれる人たちがいたこと、社会問題に自ら参加しようとする人がいたことが成功の大きな原因だと思います」「もし日本でオーマイニュースのようなメディアを創りたいのなら、この様な『準備された市民』がまず必要です」と結んだ。

 これを読んだ当時はどんな「準備された市民」かと思いめぐらせたものだ。今回、オ・ヨンホ代表が「日本版の方が記事のレベルは高い」と発言しているのを見て、ノ・ムヒョン大統領が登場した政治情勢におんぶされた「準備」に過ぎなかったと判断できる。alexa.comで調べれば分かることで、本家オーマイニュースのアクセスは全盛期の30分の1以下に落ち、現状はアキバBlogに毛が生えた程度でしかない。

 私が勤める新聞社にも毎日、大量の投書が届き、一部は読者欄に掲載している。はっきり言って掲載に耐える内容は、全体の数十分の1でしかない。オーマイニュース日本版のように来た原稿は全て掲載する原則なら、冗漫すぎて誰も見向きもすまい。オーマイニュースの場合、編集長以下9人も揃えた編集部の「頭」の準備がほとんどされていなかったのだから、オ・ヨンホさんには「『準備された編集部』がまず必要です」――とお返ししておこう。

 インターネット新聞JANJAN、ライブドアPJニュース、ツカサネット新聞に続いて、オーマイニュース日本版も社会的な影響力は持てないと決した。こうした大型市民記者メディアは日本には根付かないようだ。だからと言ってネット上の知のレベルが低いのではない。

 メディア報道の欠陥を捉えた的確な批判は日々に巻き起こっているし、ネットから検索により簡単に見つけだせる。私がそれを引っ張り出して新聞社内に配れば、理解する人が増えている。メディア各社は最近、ブログなどで読者、視聴者の声を聞く態勢を整えつつある。現状は読者サービス的な色彩が強いが、メディア水準を超えた市民の「知のピーク」を取り入れるべく、市民社会と対話する方向に自覚して進む時が来たと感じる。マスメディアが自分でしなければならないと、オーマイニュースの挫折は教えている。

【関連】
オーマイニュースの可能性ほぼ消滅か [ブログ時評63]
市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30]
ライブドアPJに忠告し忘れた欠陥 [ブログ時評10]
インターネットで読み解く!第150回「ネットと既成とジャーナリズム横断」
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by ydando | 2006-09-24 22:41 | ジャーナリズム
オーマイニュースの可能性ほぼ消滅か [ブログ時評63]
 8月28日にオープンしたオーマイニュース日本版は、初日にトップアクセスを記録した『嫌韓流』批判記事「インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム~この国の未来を支える若者の論理は…」が2ちゃんねらーによる心にもない「釣り記事」だったと判明する一方、多くの「左寄り」市民発の記事がコメント欄で2ちゃんねらー等の集中砲火を浴び「炎上」している。9月2日にはオーマイニュース編集部とブロガーの対話集会が早稲田大で開かれて、開設に至る内幕が明らかになった。

 「ブロガーXオーマイニュース『市民メディアの可能性』」レポート(1)(BigBang)が伝える鳥越俊太郎編集長の発言「僕はJanJanもライブドアニュースも見たことが無いのでわかりません。(会場凍る)」が最も衝撃的なデータである。市民参加型メディアとして先行している存在を全く勉強せずに、韓国の成功経験だけで市民メディアを立ち上げてしまったとは……。「会場凍る」に出席したブロガーら100人の顔が見えるようだ。

 「『ブロガー×オーマイニュース~市民メディアの可能性』にいってきた」(未熟者隊長の四輪連絡帳)はこう批判する。「ネットをするしないじゃなく、普通、物事を始めるときは、その周辺の環境を調べて、体験してから始めないか?」「さらに、『市民記者の原稿だから・・・』みたいな発言多々あった。だから質の悪い記事を出してもいいという?読者にとって市民だろうが、プロだろうが、匿名だろうが、実名だろが、オケラだって、カエルダッテ・・・・関係無い。読者にとって重要なのは『おもしろい』『斬新な』『しらない』テレビ番組じゃないけども『へぇ』をいえる記事かどうかのはず」「『市民記者』に代表される新しい価値は、オーマイさん家の都合なだけで、読者にはどうでもいいことになる。そのあたりも全く分かっていないようだった」

 オープン1週間の記事を私もなるべく多く読んでみた。大多数は独り善がりの書き方しか出来ておらず、ネットの良さを生かして根拠になる文書やデータにリンクを張る程度の努力も無い。市民記者以外に依頼したと思われる記事についても同傾向だから、新聞記者経験者はいてもプロの編集者は皆無なのだろう。編集部の校閲力は商業メディアの水準には全く届かず、びっくりするような誤変換が転がっている。「英霊を静かに眠らせよ ~鈴木邦男コラム」の「首相の『男の維持』が原因で、アジア外交は目茶苦茶だ」が好例。これは「男の意地」だろう。従って次のような結論が出ても不思議ではない。

 「続・オーマイニュース考」(Talleyrandの備忘録)は厳しい。「市民参加型メディアを謳い文句にしていたはずだ。それにもかかわらず、自分の所属団体の運動をそのまま記事にしたものを掲載していていいのだろうか(ここではどれだとは指摘しないが)。現在、掲載されている記事すべてがそうだとは言わないが、編集部のセンスを疑わざるを得ない。普通の新聞ならどんなにがんばっても、読者の声欄行きだろう」「オーマイニュースが、『既存メディアとは一線を画すんです。これでいいんです』というのなら、まあそれでいいが。しかし、そうであるならば、オーマイニュースのメジャー化はなくなるし、市民運動に熱心な皆様のコミュニティに堕してしまうだけである」

 もちろん、まだ見放していない人もいる。「オーマイニュースについて(2):私案」(H-Yamaguchi.net)は存在理由を打ち出せる提案をしている。「マスメディアで見かけないものが1つあるのではないかと思う。それは、『右翼』と『左翼』の、きちんとかみ合った議論だ。そんなものはどこにでもあると思われるかもしれないが、意外に少ないのではないか、というのが私の考えだ。マスメディアなどでは、たいてい両者は同席しない。同席しても、互いの意見をいうばかりで議論がかみ合わない。『朝まで生テレビ』などでも、両者(と思しき人々)は大声で同時に怒鳴りあうだけで、ちっとも議論にならない」「これこそ、他のメディアには出ていない内容ではないか。つまり、『右翼』シンパの市民記者と、『左翼』シンパの市民記者が、記事を通してバトルする、これこそがオーマイニュース日本版の目玉にすべきテーマではないか。相手を罵倒するのではなく、事実を積み重ねることによる言論バトル。『責任ある言論』だから、暴言などはチェックしてはじく。これなら、マスメディアの議論に不満な向きにも、2ちゃんねるやブログの議論に不満な向きにも、価値のある議論の場と考えていただけるのではないだろうか」

 記事の投稿で筆者実名主義を通す限りは無理と思われる。「ネット右翼」と目される人たちは実生活では右翼的言動をしないことが知られつつある。

 「第67号:オーマイニュースの明日はどっちだ!? シンポジウム報告」(「まるぽ」にうす)も「うまくやればいけるんじゃないか」とみる。「『炎上』をどうとらえるかというのも見方次第だ」「オーマイニュース編集次長の平野日出木氏は、オーマイニュースの役割について、完成された書き手が完成された記事を書くだけでなく、さまざまな人が言論を世の中に発表するという、『回転するプラットフォーム』を提供するものだとしている。いわば『輪転機』だというのだ。さまざまな質の記事があり、輪転機を通ったからといって、すべての記事が残るとは限らない、それでいいというものだ。なるほど、ひとつの見識である」「だとすれば、コメント欄の『炎上』も『回転している』と考えればいいわけで、それほど心配すべきことではないということになる」

 当のオーマイニュース編集部が至ってお気楽なのには驚く。「ブロガーXオーマイニュース『市民メディアの可能性』」レポート(2)(BigBang)は平野編集次長の発言としてこう伝える。「例の田中さんの、釣られちゃった記事ね(会場から笑)あれは初日で60,000行きました。まああれは我々も楽しませてくれたというか(爆笑)そうか、左よりの甘い言葉を散りばめた記事は釣りかもしれないとか、そういう読み方をするようになっちゃって(笑)作られていないかと要チェックとか(会場笑) いいのがあっても釣りじゃないかとか」「目標としては市民記者年内5000人、PV(ページビュー)で月1500万ですね。月400万PVいかないと広告が入らない。今はなんとか(話題になったので)そのペースは越えている」

 つまり、編集部はノルマのアクセス数が稼げれば中身はあまり気にならない様子なのだ。しかし、「NoranaiNewsオーマイニュースにノラナイニュース」が9月1日に「昨日のアクセス数は約9000(ユニーク)でした」と報告している。ここは掲載拒否された記事を2ちゃんねらー達が集めて、採用傾向を知ろうとするウェブで、実数で9千人もが来ているなら、その何倍かが1日に何度もオーマイニュースに行くことを考えると、アクセスの非常に大きな部分は2ちゃんねらーが占めている可能性が高い。「ネットウォッチ@2ch掲示板」など、彼らの間に「もう飽きた」との声が見え始めており、やがて潮は引いてしまおう。広告が取れないアクセス水準に落ち込むのは目に見えている。

【関連】市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30]
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by ydando | 2006-09-03 21:43 | ジャーナリズム
負の出発点に立ってしまったオーマイニュース
 毎日新聞が今日の社会面で書いた「にっぽんに思う:/2 日本版『オーマイニュース』 匿名の中傷に危機感」は、鳥越編集長へ応援になっていないのではないか。「OhmyNews開店準備中ブログ」で起きていた「炎上」は単に「『嫌韓流』のうねり ネット世論、匿名の攻撃」と新聞の見出しにあるだけの問題ではなかったと思う。

 実質的にコメント欄を閉じる結果になった。ネット上の大衆にどう対応するのか、深く考えずにブログを開いたことこそ問題だった。さらに記事に取り上げられている、問題を起こした「一市民記者の意見として」の扱い方は、編集部にプロの編集者が不在であることを暴露してしまった。市民記者は新興宗教かぶれらしく「エングラム」という概念を持ちだして得意げに説いている。一般読者に読んで分からない記事を編集部が選んで掲示したことだけでも、期待する読者がいたとすれば大きな失望を与えたはずだ。掲示したのは今春、大学を出て就職したばかりの女性編集者だが、匿名とはいえ真っ当な批判を浴びても取り下げないのだから編集部全体で支持しているのだろう。

 創刊まで4週間。韓国での成功をベースに日本進出するどころか、かなりマイナスの所から出発しなければならなくなったと見る。読者をまだほとんど掴んでいない時点で毎日新聞の記事が出たのでは、援護ではなく足を引っ張る要素が強いと思う。

【新展開】9/3にオーマイニュースの可能性ほぼ消滅か [ブログ時評63] をリリース
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by ydando | 2006-08-01 20:30 | ジャーナリズム
「オーマイニュース」市民記者規約への疑問
 韓国のOhmyNewsがソフトバンクから資金提供を受けて8月末、日本版を立ち上げることは既に紹介しました。その開設が8月28日に決まり、市民記者の募集も始まりましたが、その規約は何かおかしい、私には違和感があります。

 登録ページから進むと「オーマイニュース」市民記者規約が現れ、同意を求められます。投稿された記事は編集部が自由に編集し、追加取材できて、記者の実名の下に公開されます。その著作権は「当社ウェブサイトに掲載された時点をもって、市民記者の新たな意思表示を要することなく市民記者と当社との持分均等による共有となります」となっています。

 一方、記事についての責任は、追加編集の結果で生じた分は除くとしながらも「市民記者は、投稿記事の内容および記事から派生した結果につき自ら責任を負うものとします」となっています。第三者から損害賠償などを求められ、オーマイニュース側が賠償金や和解金、弁護士費用などを支払った場合には「市民記者は当社の損害を賠償し、かつ当社が支出した費用を当社に補填するものとします。但し、市民記者に故意または重過失がない限り、この責任は50万円を上限とします」と規定されています。

 50万円の上限があるとは言え、「責任は全部、負ってもらいます」、でも「著作権は半々です」では、あまりに不公平ではありませんか。投稿記事の価値を認めて採用した編集部の責任は無いということになっています。冷静にこの規定を読んだら、疑問に思わない方がおかしいでしょう。取材対象とのトラブルは微妙なところで発生するものなので、そこまで責任をとらされるのなら、編集後の記事を、市民記者側が読んでOKを出すまで掲載しない仕組みが是非ものになります。先行している『JanJan』市民記者規約には「編集後は著作権は半々」はあっても、損害補填の規定はありません。

 「OhmyNews開店準備中ブログ」では、2ちゃんねらーと思わしき人たちが種々の異議・異論をコメント欄に書き込んで、ちょっとした騒ぎになっています。本当のところ、どんなサイトが現れるのかは実現してみるまで分かりません。しかし、「不平等な損害補填」を敢えて掲げた編集部側の姿勢に、市民記者の存在をどう考えているのか透けて見える気がし始めました。
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by ydando | 2006-07-25 17:40 | ジャーナリズム
市民ジャーナリズム実験例としての[ブログ時評57]
 5月21日にリリースした「看護師不足起こし老人医療放棄を強行 [ブログ時評57]」を先日発売された岩波『世界』7月号連載「ネット言論はいま・ブログ時評on SEKAI」に転載しました。見出しは「厚労省がここまで医療と保険に無知だったとは」に代わっています。内容的には、6月10日付けの朝日新聞2面「時時刻刻・行き場失う高齢患者」の前半部分を、ブログの力を借り、先行して明らかにして見せた形になっています。

 ブログ時評シリーズの中でも、ちょっと特異な成り立ちです。4月の診療報酬改定で病床削減を促す「先取り制度改革」があったとのニュースを知って、ブログの世界には病院の経営難を伝える生データがあるに違いない――と推測、1時間ほどで拾い集め、そのまま書き上げただけです。最後にある、免疫学者、多田富雄さんのリハビリ制限化についての告発は前から知っている必要がありますが、これはコラムとして落ち着かせるために書き込んでいるだけで、もしネット上でニュースとして流すには、3人の方の報告を集めた前半3分の2だけで十分だと思います。こういう形でニュースが書ける面白い実験例です。

 市民ジャーナリズムの新勢力「オーマイニュース日本版」が8月下旬のオープンを目標にし、OhmyNews開店準備中ブログが6月1日、立ち上がりました。現在のところ、スタッフの自己紹介が続いている程度ですが、何が生まれるのか見える窓になるでしょう。日本国内で市民ジャーナリズム・サイトを新たに立ち上げるには「市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30]」で論じた立場が必要との見方は変わっていません。開店準備中ブログでは、オープン前にも何か新しいことをやって見せてもらえるそうなので、注視していましょう。
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by ydando | 2006-06-10 22:14 | ジャーナリズム