◆新ブログに移行します◆Blog vs. Media 時評blog.dandoweb.comへどうぞ ――――――――――― ネットジャーナリズム活性化のために3/9=圧縮音楽の改善2/11=失敗国家と紙消費2/9=「ウェブ通」リンク集
by ydando
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
WiiとPS3:ゲーム機因縁対決に評判の分析 [ブログ時評72]
 次世代ゲーム機として、昨年末に発売されたソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)「プレイステーション3(PS3)」と任天堂「Wii(ウィー)」の優劣がはっきりしてきた。もうひとつの次世代機で1年先行した米マイクロソフト「Xbox360」は国内では劣勢が見えており、既にWiiとPS3に追い越され、WiiがPS3の2倍以上を売っている。年末商戦ではWiiが入荷―即完売を繰り返していたが、14日にブログを検索すると地方都市を中心に「売り場にWiiが置いてあるのを見た」といくつも報告され、ようやく落ち着いてきた。ブログでは長い歴史を引きずる因縁の対決に興味深い記事が書かれ、評判になっている。

 WiiとPS3のゲームソフトとゲーム機本体の売れ具合を見る便利なサイト「VG Chart.org」がある。独自入手の非公式情報も含めているそうなので、この点は注意したい。「Japanese Chart for Week Ending 07th January 2007」で新年第1週を見ると、ソフト3位に「Wii Sports」165,250本、4位に「Wii Play」137,250本とWii勢は早速、上位に食い込んでいるのに、PS3勢は45位「Resistance: Fall of Man」15,500本、47位「Mobile Suit Gundam: Target In Sight」14,500本と元気がない。本体もWiiが累計1,159,250台なのに、PS3は累計543,250台。Wiiに比べ高性能ながら値段が倍もするPS3は「売り場で山積みになっている」状況を映している。米国の状況も見ることが出来て、日本国内よりはPS3がやや善戦している。

 昨年12月15日付の「SCEと任天堂の『いつか来た道』」(FIFTH EDITION)が任天堂「ファミコン」から説き起こし、ゲーム機業界の覇者が入れ替わる様を長文ながら飽きさせずに読ませる。記憶違いなどは多数集まった読者の指摘で手直しされ、立派な「ゲーム機史概観」になっている。「スーパーファミコン」に至る任天堂の独占的な成功は「ソフトの高価格化と、互換性の無視」を招いて「スーファミ後期に至ると、日本中の小売などが、任天堂を敵視するようになります」。1994年にSCEが「プレイステーション(PS)」を発表し、「CD-ROMを採用し、ソフトの大容量、低価格、短納期などを実現し、ハードの低価格化を成功させました」。ゲームソフト会社が開発しやすい環境も整えて「小売とサードを味方につけていたのです」。ここに投入された最新機種、任天堂「nintendo64」は敗れ去ってしまう。

 ところが「ROMカセットをゲーム機から駆逐し、サードを優遇し、流通の簡素化に成功したSCEでしたが、天下を取った後は……任天堂化したのです。悪い意味で」。それでもSCE側は「プレイステーション2(PS2)」までは勝ち続けたが、携帯ゲーム機「PSP」で攻勢を掛けると、新経営陣になった任天堂は「ゲーム人口の拡大」を掲げた「DS」を開発して切り返し、PSPが売れていた北米市場まで席巻する。今回の次世代機戦争については「市場を支配すると同時に腐って、どうしようもないほど腐って、PS3という問題児を作ってしまいました」とし、「サードが参入しにくい、ありとあらゆる条件」「プログラミングの複雑さ」「開発費の高騰」「本体価格の高さ」などの欠陥を指摘する。

 「成功は振り返って語るもの - 『PS3が圧勝した世界』という思考実験」(デジモノに埋もれる日々)は現状と逆の状態をフィクションする手法で、起きたことの意味を浮かび上がらせた。ブルーレイディスクも再生する高画質ハイビジョン、ゲーム以外にも何でも出来る高性能、家族で集うなんてあり得なくなり「1人1台」の家庭環境……と挙げていくと、Wiiの成功はその裏側を走っている事実に気付く。年末年始に家族そろってテニスや野球などWiiスポーツに興じている姿は最たる例だ。次世代ゲーム機を企画する数年前には「PS3圧勝」の方が常識だった。「Wiiの成功は、製品企画設計段階からの『再び大衆にゲームを!』という信念が成就した」。強力なPS2の成功を前にして「『数年前のあなた』、つまり現在のWiiの成功もDSLiteの成功も知らないあなたは、上記のような 『奇をてらった商品の惨敗ストーリー』を想像することなしに巨額の投資をWiiの企画にベットすることが、本当に出来たでしょうか?」と問いかける。

 これまでのゲーム機戦争と違っている点がある。まだゲーム機を買っていない人であっても、かなりの程度、実際に近いゲーム映像が見られるようになった。動画共有サイト「YouTube」の登場やブロードバンド環境の広がりが大きい。YouTubeで「Wii」「PS3」を検索すればゲーム映像が手に入る。PS3で「放送」されている人気番組「トロステーション」も日本語キーワードのままで出てくるから試して欲しい。PS3のハイビジョン映像はYouTubeでは無理と思っていたら、1月末に発売されるゲーム、RPG「ENCHANT ARM」にハイビジョン画質の予告編が用意された。パソコンにかなりの性能が要求されるものの、オリジナルの横1280ドット幅に広げて鑑賞すると、この高精細さは刺激的だ。YouTubeには、もちろんXbox360などの映像も投稿されている。冒頭のVG Chart.orgなどを参考にゲーム名をキーワードにして探すと良いだろう。米国でもブレークしているDSの「Nintendogs」などの映像を見ると、撮影した使い手のことまで想像してしまう。
[PR]
by ydando | 2007-01-14 20:20 | 文化スポーツ
<< 『残業代ゼロ労働』と名付けられて失速 毎日新聞がオーマイニュースと同じでは >>