重体の妊婦が19もの病院に転送を断られた奈良県南部の大淀町立病院が、分娩の扱いを来春から止めるそうです。
アサヒコムの記事は、この妊婦を担当した1人しかいない常勤の産婦人科医(59)が退職、後任が補充できず「年間150件以上のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上で、妊婦が死亡した後、『この病院で20年以上頑張ってきたが、精神的にも体力的にも限界』と周囲に漏らしていたという」と伝えています。マスコミ報道でいわれのない批判を浴びたことも含まれるのでしょう。これで奈良県南部から産科が消えます。
気になって周辺を探していて
「産婦人科医の終焉 分娩取り扱い終了のご案内」(勤務医 開業つれづれ日記)で、大阪の民間病院が産科を止める
「宣言」をしていて、国の医療政策や患者のありようを痛烈に批判しているのを知りました。「厚生労働省看護課長通知によって、看護師による分娩時の内診が禁止されたこと」「信頼関係のある患者様ばかりではなくなっていること」「産科医療のシステムが破綻しつつあること」と3つの理由を挙げ、さらに詳しく論じています。
6月に書いた
「医療崩壊が産科から始まってしまった [ブログ時評59]」が急速に形として見えるようになってきていると思えます。深刻ですね。転がり始めたら加速するばかりです。止めようとするなら、とんでもなく大きな力、つまり政策の大転換が要りますが、政府にその気力があるとは思えません。
【12/23訂正補足】
NHKのニュースを聞き違っていました。常勤の産婦人科医は辞めるのではなく、産科を止めるというのが正確でした。婦人科は続けるのですが、産科をやってもらえる医師が見つけられないので、分娩取り扱いが出来なくなるのでした。